検済無・上増築・多層階住宅のリノベーション・大田区西糀谷PJ

築17年・鉄骨造3階建て・既存延床面積187㎡の建物の上に一層増築して4階建てにするプロジェクトです。既存建物の工事完了検査済証が無かったので建築基準適合性状況調査を行い、大田区に法12条5項報告と建築確認申請を提出し確認済証を受けました。現在工事中です。

小規模ビルでは珍しく様々な施工報告書等が残っていましたが、基礎コンクリートの強度確認、柱脚部の確認、鉄骨材質の確認(成分分析)など補充的な物理的調査を行いました。

増築である為、建築基準法の構造規定を全て現行基準に適合させなければならず、様々な部位の構造的検証が必要となりました。

既存延床面積187㎡+4階増築面積36㎡ 合計223㎡で1階が店舗で2階から4階までが多層階住宅(申請は共同住宅2戸)となっています。また新たに4層用ホームエレベーターを設置しています。建築確認申請上の工事種別は、増築+用途変更+大規模修繕となっております。

「上増築」は、建築ストックの再生活用の中でも難易度の高い業務であり、調査・設計・申請の各業務は、検査済証の無い他のプロジェクトと比べても時間と経費を費やします。

また既存建物の施工結果報告書等一定の工事中の書類が残っていないと、初期の段階で増築可能かどうか基本的検討ができません。

今回は色々な条件が整い確認済証までこぎつけることができました。関係各位の御協力・御尽力がなければなし得ませんでした。あらためて御礼申し上げます。

  • 【建築場所】東京都大田区西糀谷
  • 【法的規制】近隣商業地域・防火地域・防災街区整備地区
  •                        ・容積率400%・建蔽率80%
  • 【既存書類・図書】意匠図・有/設備図・有/構造図・有/構造計算書・無
  •          /各種施工報告書・一部有
  • 【調査・設計・許認可申請】株式会社 寺田建築事務所
  • 【構造設計】一級建築士事務所 ビオス
  • 【構造適判】株式会社 国際確認検査センター構造適判部・東京本部(ルート2)
  • 【法12条5項・建築確認】大田区

一枚の御礼状

【九頭竜神社元宮】

先日、ある信用金庫に普通口座を開設したら、支店長と窓口担当者の直筆署名入りで口座開設の御礼状が届いた。長い人生の中で金融機関からお礼状が届いたのは初めてで、ちょつと感動した。

沢山の金額を預金したわけではない。2千円で口座を開設しただけなのにだ。

金融機関とお付き合いしていても、あまりいい思い出は蘇ってこない。あるメガバンクに会社の口座開設を申し込んだとき、開設審査に二週間以上かかる言われ 何故うちの銀行に口座開設するんですかと言われた。さも出来立ての零細企業は相手にしませんよという口振りだったので「もういいですと」断り、今のメガバンクにしたが、このメガバンクしても この5年間一度も銀行から挨拶に来たことも令状も来たことが無い。

あまたある金融機関から選択しているのだから、こちらだって多少は選択した理由がある。今は、地域とともに成長しようとする姿勢の見える信用金庫あたりとお付き合いするのが適切なのかと思っている。

そいえばメガバングは どこもリストラと店舗の再編に大きく動き出している。それに応じて弊社の仕事も多くなってきているのだが、「人のふんどしで相撲をとる」という基本の姿勢が変わらない限り、成長は難しい。

なつまつり

保育園の「なつまつり」を見に行ってきた。

普段はセキュリティが厳しいので、完成した後の保育園は中々入れない

子供達用の手洗いは なんとも可愛らしい

ヨーヨーすくい、魚釣り(本物ではない)、ボーリング、モグラたたき

色々な催しがあり、子供達が楽しんでいた。

保育園 どこも深刻な人手不足らしい

子供達の相手をするのは 生半可な労働ではない

この異常な暑さで水遊びは中止、近くの公園に行くのも中止

ビルの中の保育園 子供達はストレス溜まるだろうな

「地元経済を創りなおす-分析・診断・対策」枝廣淳子著

「地方創生」「地域経済の活性化を」という掛け声は多いが、そのために必要な考え方や具体的な方法・ツール・事例が紹介された本はあまり見られなかった。

建築の世界で言えば1億円の地方創生予算の範囲内で既存建物の再生・活用を図ると言う散発的な取り組みが目立った。勿論 それが駄目というわけではないが地域単位で見たとき やはり経済学的視点でその地域経済の分析・診断・対策を考えていかないと散発的で継続性に欠けるのではないかと思っていた。弊社が建築ストックの再生・活用に取り組む場合も調査・分析・診断・対策を立てるように、地域経済の再構築の分野でも、調査・分析・診断・対策を立てられるドクター・ゼネラルが求められているのではないかと思っていた。

著者は下記のように書く『地位経済の現状観光や投資で地域にお金が入っても、その大部分が地域から離れた場所への支払いに使われ、お金はあっという間に地域から出て行ってしまっている』
『本当の地方創生と幸せのために大切なこといくらお金を地域に「引っ張ってくるか」「落とすか」でなく、「一度地域に入ったお金をどれだけ地域内で循環し、滞留させるか」』

この本では、そのための考え方の枠組み、実践のためのツール、内外の事例を解説し、地域の人々が「地域経済を自分たちの手に取り戻す」ことを通して、真の地域創生と人々の持続可能な幸せを支援するのが目的と書かれています。

「漏れバケツモデル」や産業連関表の活用、地域内乗数効果の見える化ツールなど、お金や雇用を外部に依存している割合をまず知り【分析】、どこに力を入れるべきかを考え【診断】、そのうえで、効果的な取り組みを進める【対策】ことができます。

そして、好循環に転換した地域経済の事例の数々を紹介しています。

国内の事例のみならず海外の事例もいろいろ紹介されています。そういった事例には、「応用・転用可能な学びやコツ」がいっぱいあり、それらを知ることで、さらに効果的に取り組みを進めることができると著者は言います。

日本の未来は、地域経済を取り戻すことから始まるという予感がします。

九頭竜の森休憩所(旧箱根樹木園休憩所) -1


ザ・プリンス箱根芦ノ湖から湖畔を15分程歩くと九頭竜の森の入口になる。

それから九頭竜神社元宮に行く途中に九頭竜の森休憩所の姿が木立の中に見え隠れする。旧名は箱根樹木園休憩所。村野藤吾さん設計の三つの円錐形の茅葺屋根を持つ建物によって構成されている。

1971年に竣工した建物だ。

現在名、ザ・プリンス箱根芦ノ湖が完成する7年前の事だ。

この休憩所は、現在は使用されていない。かってここには神山ロッジ・コテージがあった。それらの建物も現在は朽ち果てつつある。

休憩所の近くまで行ってみた。

あまりの惨状に声も出なかった。

屋根の茅葺が朽ちて、鉄骨の下地が剥き出しになり屋根に大きく穴が開いでいる。

哀しいな。

村野藤吾さんの作品が使われることもなく、

朽ち果てていくのを見るのは。

この休憩所もコテージやロッジも修理すれば

 まだまだ生き返らせることができると思うのだが・・・

「数字が語る旅行業2018」日本旅行業協会

日本旅行業協会が発行している「数字が語る旅行業2018」にリアルな日本の観光に関する数字が表されていて興味深かった。

ここに記載されている数字をどう読むかは、個人の力なので詳しい解説は控えておく。

建築ストックの再生と活用の法的調査という分野でホテル・旅館に関わっていたのは数年前。オリンピックに向けてオープンするホテル・旅館・簡易宿所もそろそろ終わったかなと思っていた。あちらこちらでオープンのニュースを見ていると供給過剰ではないかとも感じている。旅館施設とともに東京湾岸地域のタワーマンション。オフィスビル等も供給過剰になるのではないだろうか。

新築の供給が過剰なせいなのか、どうにかしたいと思うのか、ここにきて既存の宿泊施設の調査が増えてきた。また民泊の営業日数の規制のせいか、弊社に来るのは検査済証が無い物件なのだが用途変更して簡易宿所(旅館業法)の許可を取りたいという相談も増えている。

最近になって弊社のクライアントも中国の方が増えている。

彼らは30代後半だが、物の見方考えかたがシビアで、話していると感心する事ばかりだ。ついつい長時間お喋りをしてしまう。

中国の若い経営者は皆 インバウンドが未来永劫に続く等とは考えていない。私もそう思う。何らかの政治的転換があれば一挙に萎んでしまう危うさを内包している。

それにしても日本の観光地は元気がない。最近廻った小田原・箱根はインバウンドでかろうじて生きながらえているという印象を持った。

ザ・プリンス 箱根芦ノ湖 -2

開業当時に訪れたときは、まだホテル本体しかなく、回りの樹木も小さかったように記憶している。

夏の芦ノ湖は、あまり晴れることがなく このように靄がかかっていることが多い。

宿泊棟である西棟と東棟を結ぶ通路の部分

40年をかけ、建築がしつかり風景に溶け込んでいる。

ザ・プリンス 箱根芦ノ湖 -1

ザ・プリンス箱根芦ノ湖

村野藤吾さんの最晩年の作品

今年、開業40周年だそうだ。

ロビー

40年前、昭和53年にこのホテルが開業したその1年後にここを訪れている。

丁度結婚する1年前で、先輩の家族らと箱根を訪れ、彫刻の森美術館やこのプリンスホテルを訪れた。それからだから39年振りに訪れたことになる。先輩の赤いゴルフが箱根の坂を登るのに悲鳴をあげていたのが記憶に残っている。あの頃の、みな若かりし映像が蘇ってきた。

ロビーの床のカーペットは 張り替えられたそうだが、インド砂岩の塗りこめられた壁。木の練り付け板の天井は変わっていなかった。

小田原

業務で小田原へ

東京とさほど変わらぬ暑さ

新宿からロマンスカーVSE(50000形)で

室内はきれい

屋根のボールトの都合で頭の上の荷台には大きな荷物は載せられない。

しかし トイレはゆったり、座席の間隔もゆったりしている

年金

ついに年金をもらうことにして年金事務所に手続きに行ってきた。かろうじて300月は超えていた。

あわせて小さい法人=株式会社だが、厚生年金と医療保険に加入する手続きをしてきた。70歳までは厚生年金を払わないといけない。

年金を貰うことになって爺になったんだなと改めて実感する。

年金もこの先ずつと貰えるかとても不安だが・・

ICU、HCU、CCU・・・

最近、病院の集中治療室が沢山わかれている事を知った。若い時から今まで、建築計画の中でも病院、老人福祉施設等には、あまり関心が無い。

ICU (Intensive Care Unit)は集中治療室で、 呼吸、循環、代謝その他の重篤な急性機能不全の患者の容態を24時間体制で管理し、より効果的な治療を施すことが目的。

ICUは、以前 某大学付属病院で頸椎の手術をした後に、1週間以上ICUでお世話になった。手術後2日ぐらいは症状が重たくて口も聞けなかったが、その後は看護師さんと会話できた。ICUでは会話可能な患者さんは少ないそうだ。看護師さん一人が受け持つ患者が少ないので手厚い看護を受けられる。

ICUと聞くと苦い思い出があり、大学の建築計画の試験でICUとは何かという設問に対して「国際基督教大学」と書いて あとから教授にしっかり怒られた思い出が残っている。何しろ出席を取られる授業以外は殆ど授業に出ない学生だったから。

HCU(High Care Unit)は準集中治療室、集中管理病棟、重症患者病棟で、高度で緊急を要する医療を行うための病室。ICUよりは軽症な患者を収容。

これは最近、夜中に高熱が出て息が苦しくなり家人が救急車を呼んだので某大学付属病院のHCUに搬送されて経験した。

HCUは、患者と医療スタッフとの距離が近いからか、患者が軽症のせいか聞いてよい事も悪い事もみんな聞こえてしまう。

自分の結果はマイコプラズマ肺炎とわかり投薬で一日で熱が下がり、意外と早く退院できた。高熱で意識朦朧となるのは初めての経験であの世からお迎えが来たかと思っていたら、まだ来るなと追い返された。

色々と調べられて悪い数値の箇所も出ていたが、結局は痩せろという事なんだろう。

あぁ~又 苦しい、ひもじいダイエットを始めるのか・・・

その他に、病院計画は機会が少ないと思うが集中治療室には次のようなものがある。

CCU (Coronary Care Unit)は 冠疾患集中治療室で、循環器系、特に心臓血管系の疾患を抱える重篤患者を対象としたもの。その他に今は、SCU (Stroke Care Unit) 脳卒中集中治療室 、SICU(Surgical Intensive Care Unit)外科系集中治療室、NCU(Neurosurgical Care Unit) 脳神経外科集中治療室、NICU (Neonatal Intensive Care Unit)新生児集中治療室などいろいろあるようだ。