建築計画概要書・台帳証明@名古屋市

名古屋・建築計画概要書・台帳証明

 

【名古屋市住宅都市局建築指導部建築審査課・審査統括係の資料】

名古屋市は、建築計画概要書は平成8年4月1日、計画通知は平成19年6月20日から保管しており、それ以前は廃棄されたようだ。

台帳記載事項証明は発行しておらず、「検査済証等処理経過の証明」などという名称の証明は、所有者以外は取得できない。建築主以外が請求する場合は、委任状と登記事項証明が必要。

台帳閲覧も出来ないのだから古い建物の場合、その建物が果たして建築確認申請を取得しているのか、工事完了検査済証を取得しているのか第三者は知る事も出来ない。

建築物は私的所有物でありながらも社会的存在だ。

違反建築物が事実上放置されている今日的状況では、個人情報保護の境界線はいかなるものが最適なのか・・・

前日に大阪市で昭和25年からの台帳を自由に閲覧できる経験をしてきただけに、名古屋市の閉鎖性には驚く。

resize2982

【名古屋市・西庁舎】

建築計画概要書・台帳証明@大阪市

大阪市・建築計画概要書・台帳証明

 【大阪市・建築指導部の資料】

大阪市は、建築確認記載台帳が昭和25年から保存されており、その台帳を各自閲覧できる。

建築計画概要書は昭和48年(1973年)から保存されており写しを請求できるし、昭和50年(1975年)頃からはコンピューター化されており、モニターで確認できる。

大阪市建築指導部の窓口担当は、とても親切で助けられた。

福岡市の整形外科火災事故に思う -1

平成25年10月15日、国交省が福岡県福岡市の整形外科において死者10名、負傷者5名の火災が起きた事故をふまえて緊急点検の指示をだした。

国交省と消防庁の事故報告を読むと、現在の建築基準法や消防法の既存建物の維持管理に関する事項から漏れ落ちた建物だと感じた。

平成25年10月11日に福岡県福岡市の整形外科において、死者10名、負傷者5名の火災が発生しました。
この火災については、現在関係当局により原因等の究明が行われているところですが、今回火災のあった建物は建築確認の届出をせずに増築され、その際、煙感知方式に改修すべき防火戸が温度ヒューズ式のままとなっていることなどが確認されています。また、少なくとも防火戸が作動しなかったことが被害の拡大につながったと考えられているところです。
このような火災の被害を防止するため、本日(10月15日)付けで、都道府県を通じ特定行政庁に対し、別紙のとおり病院及び診療所の防火設備に係る緊急点検を行うよう通知しましたのでお知らせいたします。
添付資料

http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000436.html

001015438_01

 

上記は国交省の緊急点検に添付された事故の概要

001015438_02

既存不適格建築物だと思っていたら、無届で増築した部分があるから違反建築物。一体増築だから既存遡及する部分は多い。

しかし火災現場から無届の増築部分の概要を、よく把握できたなぁと思った。国交省の調査能力はすごい。

昭和44年、昭和48年に確認申請が提出されていたとしても この報告書では完了検査が行われていたか記載が無い。

当時の書類は、建築確認記載台帳に掲載されている簡潔な情報。残っていたとしても建築計画概要書程度なのだ。

福岡市博多区整形外科火災(第5報)_01

上記は消防庁の第5報

福岡市博多区整形外科火災(第5報)_02

微妙に面積とか国交省の資料と相違している。

特殊建築物定期報告の対象から除外されているから既存建物の維持管理状態を把握できない。報告義務が無いから不備や未整備部分があつても放置される。

既存建物の調査で多くの物件を見てきて、防火区画・非常用照明・代用進入口は不備なものが多い。

それらの多くは、特殊建築物定期報告から除外されている中小規模の建物だ。

 

 

非常用照明

非常用照明器具は、マーケット・病院・劇場・ホテルなど多数人の集まる場所で、火災その他不慮の事故で停電したとき、居合わせた人々を速やかにかつ安全に避難できるように、室内や通路を照らし出す照明器具。

既存建物を調査して思うのは、この非常用照明があまり大事にされていない事だ。

電池が無いもの、電球がないもの、非常用照明そのものがなくなってしまったりと 扱いがおざなりにされている建築設備のひとつ

テナントが入居しているビルでは、工事区分がビル所有者工事とテナント工事区分とに分けられたりするが、防災設備関係はビル所有者工事区分になることが多いせいか、店舗の照明器具は新品だけど、非常用照明だけはタバコヤニで黄ばんでいたりする。

■非常用照明器具の基本要求機能

【1 照明器具】
(1)直接照明で、床面において水平面照度で1lx(蛍光灯の場合は2lx)以上確保できること(地下街の地下道は10lx以上)
(2)常用電源が保たれた時、予備電源により即時点灯する光源を有すること。
(3)周囲温度の40℃の雰囲気の中で30分間点灯を維持できるものであること。
(4)照明カバー、その他付属するものを含み、主要な部品は不燃材料にて造り、または覆うこと。
■電源

電池内蔵型と予備電源別置型がある。どちらを選定するかは建物の規模、構造、用途、取り付け場所、配線の方式、耐熱処理の有無、電源の種類などにより異なるため、その都度検討する必要がある。

【1、電池内蔵型】

電池内蔵型は配線規制を受けない。また、予期しない事由により、器具に至る配線がしゃ断されても点灯するので、安全で非常用照明装置を設ける目的に合致。配線規制のないこと、予備電源装置が不要で施工が簡単。

【2、予備電源別置型】

予備電源を別置する場合は、配線は耐火規制を受けるが、予備電源の寿命が長く、電源確保の信頼性が高い。
また、内蔵電池がないので、器具の意匠上も有利。

一般的に電池内蔵型は設備費は割高だが、予備電源が不要で、配線規制を受けないことで増築、改築の場合や小・中規模の建物に適している。大規模の建物では、予備電源装置が必ず設けられるので、電池内蔵型より予備電源別置型の方が経済的。
■非常用照明器具の配置設計

【 照明設計上の注意事項】
(1)照明範囲〔令第126 条の5、告示1830 号、通達住指発第44 号〕
照明は直接照明として、床面において水平面照度で、1 lx 以上の照度を確保します。蛍光灯を使用する場合は、常温において、1 lx 以上というのを、2 lx 以上におきかえて設計する。

床面必要照度は、避難行動上のさまたげとならない隅角部や居室、通路、階段などで柱の突出による陰の部分や物かげなどを除いた部分で規定の照度が確保できるように計画する。

 

避難上有効なバルコニー @ 京都市

「京都市建築法令実務ハンドブック」(H24.1.1)での「避難上有効なバルコニー」の取り扱い。

「解釈編」

京都市では、避難専用バルコニーの面積は有効内法面積だった。
img153

 

避難専用バルコニーでない場合は、3m2以上という取り扱いを示している。

img154

排煙設備の異なる室の区画 @ 福岡県

「福岡県建築確認申請の手引き」(2010年追補版)に記載されている、H12年建告第1436 号第4号ハの「壁及び天井の室内に面する部分」「その下地」の取り扱い。

令第126条の3の規定による排煙設備を設置した部分と同告示適用部分相互間の防煙区画の取り扱いを示している。

img152

 

H12年建告第1436号第4号ハ(四)を適用しようとする当該室と自然排煙設備室との壁等は、「不燃間仕切り」。出入口は「不燃戸」としている。

告示では出入口の戸の仕様については明記されていないが、最近は東京都内の特定行政庁や指定確認検査機関でも「不燃戸」で指導される傾向が増えてきているようだ。

「注)4」は、H18年に追記された。

排煙設備の「特殊建築物の主たる用途に供する部分」@京都市

「京都市建築法令実務ハンドブック」(H24.1.1)で記載されている排煙設備の「特殊建築物の主たる用途に供する部分」についての取り扱い。

img126

 

「病院や診療所の事務室(会計や相談窓口その他これらに類するもの)は、主たる用途に供する部分に該当します」とある。

img127

 

「建築物の防火避難規定の解説(2012)」84頁では、

本告示第四号ハのかっこ書き「・・・主たる用途に供する部分で、地階に存するものを除く」については、当該部分の利用用途が特殊建築物としての用途になるか否かをもって判断する。たとえば、物品販売店舗の地階にある事務室等はこのかっこ書に該当しないものと解釈し、本号の適用を受けることができる。

 

排煙設備の異なる室の区画 @ 神戸市

「神戸市建築主事取扱要領(第2版)」(H24.8.18)で排煙設備の異なる室の区画について取り扱いを定めている。

img121

 

例えばオープンな管理スペース(ナースステーションのようなイメージ)と廊下。すなわち居室と室の排煙区画はどのように考えるか。

飲食店で厨房と客待ちスペース(ファーストフード店をイメージ)。すなわち居室と居室の排煙区画の考え方など。

実際の設計では、連続的な空間領域は多く とても悩ましい。

img122

告示第1436号四ハ(4)の排煙緩和居室間の場合、「開口幅の合計が1.8m程度までの場合、防煙垂れ壁のみとし、扉を設けないことができる」としている。

ということは、

神戸市ではファーストフード店の厨房と客席の間それぞれの排煙緩和は難しい。

各斜線制限の建築物の適用 @ 東京・江戸川区

東京・江戸川区の「建築基準法等における取り扱い基準」(平成20年7月)で、各斜線制限等のたて格子手摺に関する取り扱いを定めている。

img120

 

天空率に対して緩和を認めていないということは、天空率そのものが道路斜線、隣地斜線の緩和であるから二重に緩和する事はないだろうという判断か。

四号建築物における準耐火構造の層間変形角の取扱い

防火地域内に建築基準法第6条第1項第4号建築物(木造住宅)を建築する場合、構造を準耐火構造にすることによって、100m2未満であれば建築可能となる。

木造2階建てで準耐火建築物(イ準耐)とする場合の層間変形角の確認はどうするか。

層間変形角の確認要求は施行令109条の2の2で規定されており、令第10条の確認特例の条文には該当しない。

令109条の2の2

法2条第九号の三イに該当する建築物の地上部分の層間変形角は1/150以内でなければならない。ただし、主要構造部が防火上有害な変形、き裂その他の損傷を生じないことが計算又は実験によって確かめられた場合においては、この限りではない。

確認申請の4号特例は、施行令第46条について免除されてはいない。

この事について特定行政庁や指定確認検査機関では、どのような取扱いがされているだろうか。

  1. 層間変形角の計算書を添付させる。
  2. 必要壁量の1.25倍を満たしている壁量計算書の添付を求める。
  3. 必要壁量の1.25倍を満たしている旨明記させ、構造審査は行わない。

「2」か「3」が適用される場合が多い。

準耐火建築物の「防火設計指針(平成5年6月25日)」p73では、木造軸組工法の場合として「一般的に層間変形角が1/120 と1/150程度の差であれば・・・・・木造軸組工法については、施行令46条に定める必要壁量に1.25を乗じた数値により設計すればよい。」と記載されている。

脱法ハウスの調査・途中経過 @ 国交省

脱法ハウスについて国土交通省と地方公共団体により調査が進められていたが、7/30国土交通大臣会見の質疑応答の中で、途中経過が明らかになった。

違反の疑いがある物件が398件で、そのうち32件は建築基準法違反が判明して是正措置が行われていると発表された。

違反の疑いのある物件の大半は東京に存在しているらしいが、現状では法的なガイドラインが明確ではないので、明らかに違法と結論をだせないものも多いらしい。

太田大臣会見要旨
2013年7月30日(火) 10:56 ~ 11:13
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

質疑応答

(問)いわゆる脱法ハウスについて、6月に国土交通省の方から都道府県の方に情報収集ですとか違法物件の検査等の要請が出たと思うのですが、その要請に対する現状はどのようになっているのでしょうか。
(答)6月の中旬にしっかり調査をすると、そして各地方自治体と連携を取るということを申し上げたと思います。
違法貸しルームは、建築基準法に違反をしている、火災時に多くの居住者に危険が及ぶということから、国土交通省としましては何よりも居住者の安全を確保するということが最優先である、違反の是正を求めていくというのが基本です。
これまで国土交通省と地方公共団体の調査の結果、違反の疑いがある物件として398件を把握したところであります。
特定行政庁において消防部局と連携しながら必要な立入調査等、順次進めているところです。
その結果、32件について建築基準法違反が判明して、是正措置が行われているというところです。
その他の物件につきましても違反が判明し次第、速やかに是正措置を講ずるようにしたいと思っています。

また、予防的な対策も必要だということで、違法貸しルームが更に拡大をしないようにということを考えまして、7月12日付けで、マンション管理業団体に対して情報の提供などの対応を依頼しました。
また、7月19日付けで建築士、建設業、不動産業の各関係団体に対して違法貸しルームへの改造行為に関与しないなどの通知を致しました
今後、会員各社への周知などを更に行って頂くこととしているところです。
現状はそうした状況にございます。

http://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin130730.html

屋内階段の移設、新設

屋内階段の移設

特殊建築物(例えば飲食店、物品販売店、共同住宅etc)で、ひとつしかない屋内階段を移設して模様替えする場合に建築確認申請は必要となるか。

この場合、屋内の他の部分に床開口を作り、新規の階段を設置した後に 既存の階段を撤去し床をふさぐ。

階段は主要構造部であり、大規模な模様替えと考えるのが自然。

勿論 床開口を作ったことによる構造的な検討書は必要。

ちょつと古い通達だが、下記のようなものがある。

倉庫を用途変更して共同住宅にした事例について[昭和42年住指発第2号]
昭和42年1月7日
建設省住宅局建築指導課長から京都市建築指導課長あて回答

(照会)

一 建築基準法第6条第1項第4号に該当する建築物であつても、用途変更後の建築物が第6条第1項第1号に該当する場合には、第87条第1項の規定により
(1) 建築主は全く工事を伴なわない場合であつても、建築主事の確認を受けなければならないと解してよいか。(法第6条第1項準用)
(2) 工事施工者は、確認を受けないで大規模の修繕又は大規模の模様替の工事はすることができないと解してよいか。(法第6条第5項準用)
二 大規模の修繕又は大規模の模様替の工事について
(1) 外壁の過半部分について、下地板取り替えのうえ、モルタル塗仕上工事をしたことは、大規模な修繕に該当すると解してよいか。
(2) 1つしかない階段の位置を変更、模様替工事をしたことは、大規模な模様替の工事と解してよいか。

(回答)

いずれも貴見のとおり解してさしつかえない。

では、ひとつの屋内階段がある特殊建築物に、別にもうひとつ屋内階段を設置する場合は確認申請上の取り扱いはどうなるだろうか?

“屋内階段の移設、新設” の続きを読む

避難上有効なバルコニーの構造

避難上有効なバルコニーを設置することによって、2以上の直通階段の設置緩和、重複距離の制限の緩和が適用できるが、建築基準法の条文上では「避難上有効な」という判断基準が明確でなく、その目安として「建築物の防火避難規定の解説(2012)」47頁が採用される。

この「建築物の防火避難規定の解説(2012)」で目安としている2㎡以上は躯体芯か有効寸法かと聞かれた。

一応 「バルコニーの面積」だから躯体芯 床面積の算定基準に依れば良いのではと答えた。

若い設計者に

あのね、バルコニーに何を置くの?

エアコン室外機・給湯器・避難ハッチ・物干し金物・台所からの排気ルートは避難梯子の正面にならないように配置するし、吸気口の位置も考えた?

それから金属製の手すりなら控えの位置も考慮しないといけないよ。

実施設計や監理をあまりしたことがない設計者らしく 彼は口をつぐんだ。

バルコニーにそれらをプロットしてみたら、2㎡というのがどれだけ狭いかわかるよと答えた。

ビューローべりタスジャパンの編集した「確認申請・面積高さ算定ガイド」には、避難ハッチの部分の面積を除くという考えもあると言い添えた。

 

「用途上可分・不可分」・・・札幌市

img006

上図は、「札幌市建築確認申請の手引き」にある「可分・不可分」の取り扱い。

カラオケルームは郊外にあるコンテナ等を転用した分散配置の建物群で管理事務所が出入り口部分にあるものをだろうか。

「用途上不可分の関係」とは、「用途が機能的に互いに連携しているために、それぞれの棟に敷地分割することができない建築物」と規定しているのは、常識的な規定。

最近「用途が機能的に互い連携しているが、敷地分割して一団地認定をしなかった」過去の物件を見つけた。

現地を見てきてからレポートしょう。

スノコ状バルコニーの取り扱い@さいたま市

いつのまにか「さいたま市建築基準法取扱集」(平成25年3月)というのが出来ていた。

img004

さいたま市では、スノコ状バルコニーやグレーチングバルコニーでも、建築面積に算入し、その下部を屋内的用途に供する場合は、床面積に算入するというもの。

個人的には、スノコ状バルコニーやグレーチングバルコニーを建築面積に含めないなどという取り扱いはありえないと思っている。

開放性の判断 @ 西宮市

床面積の算定における開放性の判断については、個々の具体的ケースでは判断に迷うことがある。

「建築確認のための基準総則集団規定の適用事例」(日本建築行政会議編)で、随分と取り扱い基準が示されているのだが、さらに応用的な取り扱い基準を探しているいるときに知ったのが「西宮市建築基準法取扱い基準」だ。

img002

1)ふきさらしの廊下に柱や飾り柱(壁 W=500以下)があっても相互の有効間隔が2m以上あること。

2)ふきさらしの廊下・バルコニーの形状によるh1 ,h2の取り方・・手摺の笠木部分から上をh1にしているが、笠木の下が十分開放されていて、その下に壁状のものがある手摺など様々な形態がある。

3)ふきさらし廊下に面したアルコーブの場合は、開放性を阻害する門・塀等がなければ奥行き2mまでは床面積に算入しない。・・・1m程度の門扉でも開放性を阻害していると考えるのか?

4)屋外階段のささら桁、手摺が廊下の開放性に支障がない場合・・・手摺が縦格子状のものなら良いようだ。

img003

5)屋外階段に接する吹きさらし廊下・・壁等がある場合は床面積に算入するというのは一般的な判断

6)隣地境界線までの距離、対面する建築物の部分までの距離について近隣商業地域・商業地域とその他の地域とで分けているのは、賢明な判断だと思う。用途地域によっても都市の密集度は異なり、特定行政庁内一律ではなく西宮市のように二種類の取り扱いがあっても良いように思う。

倉庫からの転用(コンバージョン)

倉庫業とは、倉庫業法第2条に「寄託を受けた物品の倉庫における保管を行う営業をいう。」とある。

建築基準法では別表第1(5)に「倉庫」と総称している特殊建築物であるが、別表第2(ヘ)5項に第二種住居地域内に建築してはならない建築物として「倉庫業を営む倉庫」とあり、「倉庫」と「倉庫業を営む倉庫」は区分けされている。

一般的な倉庫から他の用途に変更(いずれも100m2以上)するとき、

  1. 倉庫→事務所・・・事務所は特殊建築物ではないので用途変更不要
  2. 倉庫→営業用倉庫・・・用途変更不要
  3. 倉庫→物販店・・・用途変更必要、確認申請

1)の場合、用途変更が不要であるが排煙設備、換気設備等が必要となり遵法性を担保する設計・工事は必要である。ただ現在の建築確認申請制度にはなじまないので、(確認申請は不要なので)公に遵法性が確保されている建物であるという証明は得られない。

2)の場合、確認申請上の用途変更は不要だが、貸し倉庫や物流センター等の場合、仕分けなどで作業者が常駐する事が多く排煙設備が必要となる。これも現在の建築確認申請制度にはなじまないので、(確認申請は不要なので)公に遵法性が確保されている建物であるという証明は得られない。

尚、倉庫の種類 として下記があげられている。

【営業倉庫】
倉庫業法による登録を受けた倉庫。他人の物を預かる営業を行うために必要。

【自家用倉庫】
自己の貨物(商品)を保管するための倉庫。メーカーや問屋などが使用する倉庫。

【農業倉庫】
農協などが営む倉庫。農業倉庫業法による認可を受けた倉庫。

【協同組合倉庫】
中小企業等協同組合法などによる認可を受けた倉庫で組合員の物品を保管するための倉庫。

倉庫業の登録は以下の10種類に分類される

【普通倉庫①】

一類倉庫 求められる構造基準が厳しい分、保管可能な物品の種類も多くなっています 危険物及び高圧ガス、10℃以下保管の物品を除いた全ての物品の保管が可能

【普通倉庫②】

二類倉庫 一類倉庫より耐火性能のいらない倉庫です ガラス器、缶入製品、原木、ソーダ灰などが保管可能

【普通倉庫③】

三類倉庫 一類倉庫より防水、防湿、遮熱、耐火性能と防鼠措置がいらない倉庫です 陶磁器やアルミインコット、原木などが保管可能

【野積倉庫】

柵や塀で囲まれた区画(区域)です。防火、耐火、防湿、遮熱性能は要りません 雨風に強い木材、瓦、岩塩等を保管します

【水面倉庫】

原木を水面で保管する倉庫です 原木を保管します

【貯蔵槽倉庫】

穀物などをバラ貸物及び液体等で保管する倉庫です 穀物等のサイロ、糖蜜、小麦粉が代表的です。

【危険品(工作物)倉庫】

建屋、タンクで危険物を保管する倉庫です アルコールが保管可能です

【危険品(土地)倉庫】

区画(区域)で危険物を保管する倉庫です 潤滑油が保管可能です

【冷蔵倉庫】

10℃以下で保管することが適当な貨物を保管する倉庫です 冷凍食品が保管可能です

【トランクルーム】

個人の家財、美術品、書籍等を保管します 家財、美術骨董品、ピアノ、書籍など

排煙設備・・・平12建告第1436号第四号ハ(4)の取扱い

平成12年建設省告示第1436号第四号ハ(4)には「床面積が100m2以下で、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造ったもの」とある。

設計上迷う箇所として次のような諸点があ。

  1. 仕上げの下地とは、どこまでの範囲をいうのか
  2. 出入口の戸の材質・構造はどうするか
  3. 出入口の垂れ壁の高さはどうするか
  4. 異なる排煙方法の相互間の防煙区画はどうするか
  5. その他

“排煙設備・・・平12建告第1436号第四号ハ(4)の取扱い” の続きを読む

歩行距離の測り方・・建築基準法施行令第120条

建築物の避難階以外の階においては、避難階又は地上に通ずる直通階段を居室の各部分から定められた歩行距離以内に設置しなければならない。

と施行令第120条にあるが、

実務上は一体どこを基点にすれば良いのか、居室の中での最短距離なのか、最長距離なのか、あるいは避難検証法で二つの出口がある場合の最大歩行距離をどう取ったら良いかなどと悩んだことはないだろうか。

歩行距離の測り方などみても ざっくりとした法律なんだなと 今更ながら思う。

各地の特定行政庁の取扱いなどを参考にしてみる。

  • ビューローベリタスジャパン Q&A
  • BCJ 「避難上の安全の検証に基づく質問と回答」(避難安全検証法講習会)

“歩行距離の測り方・・建築基準法施行令第120条” の続きを読む

倉庫・・・避難安全検証法

倉庫は、建築基準法施行令第126条の2で排煙設備は適用外となっている。

自己用の倉庫や冷凍倉庫等が純然たる倉庫にあたり、貸し倉庫・倉庫業を営む倉庫・物流センター等で物品の仕分け作業をする為に常時在室者がいる場合は、居室として排煙設備を設置するか、避難安全検証を行う。

この常時在室者がいる場合の、倉庫の在館者密度は告示第1441号に示されていない。

そこで在館者密度の設定には 幾つかの方法がある。

“倉庫・・・避難安全検証法” の続きを読む

特別避難階段

建築基準法施行令第122条で、「避難階段の設置」が規定されており、15階以上の階又は地下3階以下の階に通じる直通階段は、特別避難階段としなければならない。

避難階段には次の二つの形式がある。

① 屋内避難階段
② 屋外避難階段

特別避難階段の形式は
① 屋内階段+付室(又はバルコニー)
② 屋外階段は設けることは出来ない。

以下 特別避難階段をめぐる問題や質問をあれこれとまとめてみた。

  • 特別避難階段の構造・形状
  • 避難階段と特別避難階段の目的
  • 付室の大きさ
  • 特別養護老人ホームで3階以上に居室を設ける場合~特別避難階段2箇所以上設置

“特別避難階段” の続きを読む