
工芸館




美術館側

美術館と工芸館との連結部分・工芸館側
内部は基本撮影禁止

岩崎美術館・工芸館は、とても収蔵作品が豊かだ。19世紀末以降のフランス絵画や現代の外国作家の絵画、並びに郷土や日本作家の油彩画や日本画、それに墨書等を収集・ 展示している。黒田清輝、藤島武二の作品は貴重。桜島をモチーフにした絵画のコーナーもある。
美術館と工芸館の2つの建物は地下通路でつながっており地上では2棟別々の建物に見える。外観は明瞭な幾何学な形態で水平垂直の力強いラインと、繊細な鉄骨フレームが対比する。
修繕が行われ新築時の雰囲気が復活した。コンクリートの打ち放しに白の塗装を施した外壁は時の経過を感じさせながらも、強い太陽の光、青い空や海、深い植物の緑にくっきりと浮かび上がる。
建物全体のレイアウトはなだらかな丘になった地形を活かすことによって、海側の工芸館を少し低いレベルに抑え存在感を和らげている。
美術館内部も緩やかな地形がそのまま活かされたスキップフロアで空間がつながり、その中にマッキントッシュやコルビジェの椅子が置かれている。
自然の地形あって成しえる空間構成であり、設計着手時に現場を訪れた槙文彦氏は九州電力の高所作業車に乗り込み、上空から辺りを見渡し美術館の配置を決めたとの事だった。
自然の光が差し込むホール、壁に組み込まれた暖炉、まぶしい光があふれるテラスなどがそのまま展示空間となり、地中海のヴィラをイメージしたとの槙氏が語る通り有機的空間となっている。
工芸館においては海の見えるラウンジ、テラスとつながる談話空間があり、大自然を感じながら芸術と触れることが出来る。
とても手入れが行き届いた美術館で、建築と収蔵品の質、維持管理の徹底とバランスの取れた秀でた建築だと思った。
南のはてにある建築物だが、多くの槇ファンが訪れるそうだ。私もその一人で、半世紀かかって来ることができ、とても満ち足りている。




















