2015年を振り返って

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【写真は、1歳2ヶ月になった初孫の初めての靴】

2015年もまもなく終わります。

今年を振り返ると、業務を通じて戦前の法律である市街地建築物法やその成立過程について詳しく勉強する機会がありました。そうしたことが刺激になり近世から建築基準法成立までの「日本建築法制史」が整理できてきました。また建築ストック活用・再生・リノベーションというような業務からイノベーションの領域に足を踏み入れた一年でもありました。

私事ではありますが、昨年の暮れに長女夫妻に子どもが生まれ、また今年初夏には長男夫妻に子どもが生まれました。たてつづけに二人の女の子の孫がいる爺ちゃん・婆ちゃんになってしまいました。

爺は、孫の誕生によって全体的には後ろ向きだつた物事に対する意識・姿勢が前向きに変わりつつあること。子どもたちの頃には、無関心に近かった食の安全、保育、子どもを巡る社会環境等に俄然関心を持つようになりました。

「生きがいは?」と聞かれたら「孫」と躊躇なく断言する爺・婆です。

そんな二人が運営する事務所ですが、2016年以降は異なる領域のコラボレーション「建築×食・栄養」によってイノベーション業務に関わっていければと考えております。

来年度も引き続きブログを中心に書き続けていきますが、幾つかの領域に関するコンテンツを結合したものに再編成したいと考えています。

今年の更新はこれで終了とさせていただきます。

今年1年間のご愛読に感謝いたします。ありがとうございました。

来年も引き続きご愛読のほど、お願い申し上げます。

来るべき新たな年が、皆様にとって良い年でありますように。

渡海

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門司港から渡海して下関・唐戸港に行った。一度は下関側から門司港の街並みを見ておきたかった。

写真は、唐戸港から門司港を映す。

以前から下関側に来てみたかったが、フェリーに乗っていた時間は5分ぐらいで、あっという間に渡海した。

海は穏やかだったし、距離も短かいし、古代から本州と九州の往来は頻繁だったろうと予想できる。

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カモンワーフという飲食店が集まる施設。

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唐戸市場と関門橋

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唐戸港フェリー乗り場から唐戸市場へ

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唐戸市場は、年末休業に入っていた。

フェリーは大人往復800円、乗船客は数名だった。

出張

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クリスマスイブに北九州に出張だった。

打ち合わせの時間が午前中だったので羽田からスターフライヤーで北九州飛行場へ。ほぼ満席だった。

スターフライヤーは、7年連続顧客満足度1位とか。椅子は革張りだし国内線としてはいい感じ。

飛行機は嫌い(怖い)なので、北九州への行き来は、ほとんど新幹線を利用しているのだが、今回は前泊する時間的余裕がなかったので飛行機を利用。

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小倉駅までのノンストップバスを待つ。

雨が上がり、暑かった。

「建築」は魅力がなくなったのか

毎年末の一級建築士の合格発表を見ていたら、今年の一級建築士の実受験者数は2万5千人あまりだったようだ。昔は毎年5万人ぐらい受験していたものと記憶していた。どうも2005年頃から低下し始めて、ここ10年程で半減したようだ。

国内の名目建設費は1992年の92兆円をピークに20年間下がり続け凡そ半減したあと、2010年・2011年頃を底に上昇に転じている。しかし2013年の東日本震災復興と2020年の東京オリンピックで一定の上昇はするだろうが、その後の未来はよく見えない。

一級建築士の受験資格があるのは大学の建築系学部を卒業して実務2年だから、年齢にして24・25歳というところだろうか。今の受験世代は、国内建設投資が下降してきた時代に育った世代で、建設業界では失われた20年とも言っているが、建設業の倒産、リストラ、他業界への転出に見舞われた時代だった。

私が一級建築士に合格したのは1982年。学生時代に見えていたのは建設業の輝ける姿だった。その象徴はゼネコンだったし、組織設計事務所だった。

今年11月、鴻池組が積水ハウスの傘下に入ったと報じられた。フジタは、2013年に大和ハウス工業に買収された。今後も不動産大手がゼネコンを傘下におく傾向は増えるだろうが、時代は変わったのだと思った出来事だった。

進化論を唱えたダーウィンは、「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」と、また最近耳にすることが増えている。2013年に小泉首相の所信表明演説で引用されたけど、この言説はダーウィンの著作にはなく、後の時代の創作であるというのが定説。まあしかし「変化に対応する」そういうことなんだろうなとは思う。

余談だが、本来のダーウィンの学説からすると「変化に対応できるというより、繁殖能力の高いもの」が生き残るらしい。

師走

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あれよあれよという間にもう師走。

12月も半ばになった。

仕事の締め切りに追われている。

たぶん年末まで・・・

書いておかなければならないことがあるのだが

手をつけられずにいる

何だか落ち着かない

と言いつつwordpressがバージョン4.4になったので

更新してテーマも新しくした。

スタイリッシュ

カスタマイズして遊んでいるような状態か?

 仕事、仕事

子供の貧困問題~放置すれば経済損失2.9兆円 日本財団

「子供の貧困問題:放置すれば経済損失2.9兆円 日本財団」というショッキングな記事が、毎日新聞12月3日号で報じられていた。

http://mainichi.jp/select/news/20151203k0000e040222000c.html

「研究は、今年7月~11月、日本財団と三菱UFJリサーチ&コンサルティング(東京都)が実施した。15歳の子ども約120万人のうち、ひとり親家庭の15.5万人、生活保護家庭の2.2万人、児童養護施設の0.2万人の計約18万人を対象とした。子どもの時の経済格差が、学力や進学率の教育格差を生み、将来の所得に影響すると推定し、現状のままの場合と教育格差を改善した場合を試算した。

 大学や専門学校などへの進学率は80%に達しているが、貧困世帯の子どもは32%にとどまる。18万人の就業状況を推定すると、正社員は8.1万人、非正規社員3.6万人、無職4.8万人などとなり、現状では64歳までに得る所得の合計は約22.6兆円だった。

 一方、何らかの対策が行われ、高校の進学率、中退率が一般家庭の子どもと同じになり、大学などへの進学率が54%まで上昇したと仮定すると、正社員は9万人に増加し、非正規社員は3.3万人、無職は4.4万人に減少して、合計所得は約25.5兆円に増えた。

 所得が増加すれば、国に納める税金なども増える。税と社会保険料の個人負担額から、医療費や生活保護費などの給付額を差し引いた「純負担額」は、現状では約5.7兆円だが、改善すれば約6.8兆円になった。

 厚生労働省によると、17歳以下の子どもの貧困率は16.3%(2012年)で過去最悪を更新し、6人に1人が貧困状態にあるとされる。日本財団は「子どもの貧困を経済的観点から見た調査はこれまでなかった。国民全体の問題と捉え、官民の対策の後押しになれば」としている。【黒田阿紗子】」

外国の子供の支援をしているどころではなく、足元の日本の子供たちの貧困が危ぶまれているのだ。慈善事業に頼ることなく、緊急に経済対策としても取り組まなければならない。

「旅はゲストルーム」浦一也著

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もう10年ぐらい前に出版された本なのだが、仕事で煮詰まったときに、この本で取り上げられているホテルのスケッチをながめ、ネットでホテルを検索して、HPを見ながら海外旅行やそのホテルに泊まった場合を夢想するという、私にとって息抜き、ちょっとした現実逃避のための本である。

1994年に「TOTO通信」に連載されていた時から楽しみにして読んでいた。ここで取り上げられているホテルの多くが五つ星や四つ星の高級ホテルで、いつかは泊まってみたいなぁ~と、あこがれていた。

若い時にイタリア・コモにテラーニのカサ・デル・ファッショを見に行った時は、貧乏旅行だったし、高級ホテルは調べてもみなかったのだが、コモ湖畔の「ヴィラ デステ」は五つ星でも星が足りないとも言われているホテルだし、私が生まれて初めて海外で訪れた地がウィーンだったのだが、そのウイーン中心部にある「ホテル・インペリア・ウイーン」は迎賓館とさえ言われている。

アジアでは、ベトナムの「ホテル コンチネンタル サイゴン」とか、台湾の「ザ・シャーウッド台北」とか、自分でも手の届きそうな宿泊料のホテルもあるのだが、30歳代を最後にすっかり海外旅行とは御無沙汰してしまつた身としては、これら高級ホテルに宿泊するのは今や高嶺の花であり、夢想するにすぎないものになっている。

仕事で国内のホテルに泊まっている方だとは思うが、大概は駅近くのビジネスホテルの無味乾燥な客室ばかりではあるが写真撮影と軽く実測はするようにはしている。こうしておくと、空間のスケール感覚を養うことができる。

さて今夜のホテルはどこにしょうか・・・。

日本建築学会住宅系研究報告会・10th

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異質なものに触れると脳が活性化され認知症予防になるからという友人の誘いで日本建築学会の第10回住宅系研究報告会に行ってきた。

たまに電車に乗って出かけると、目で見るもの聴くもの全てが刺激的だ。

田町の建築会館に来たのは何年ぶりだっただろうか。

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この住宅系研究報告会は、建築計画委員会・建築社会システム委員会・都市計画委員会・農村計画委員会が共同で開催しているらしく、購入した論文集も豊かな内容だった。

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第一日目の午後の部である、セッション2「集落の地域性と空間構成」とセッション3「復興とすまいの諸相」、パネルディスカッションの「地域に『住ま・ふ』ためのストック考~住宅系研究の次の10年を見据えて」のみの参加となったが、それぞれ報告者との質疑回答も活発で楽しく聞かせてもらった。

通常、住宅系の仕事には触れていないので、友人の言うように異質のものに触れると確かに脳の活性化にはなるようだ。