「サクッとわかるヤマベの木構造の極意」建築知識8月号

10819

執筆者の一人から案内があり、Amazonから取り寄せて読んでみた。

とても解りやすく、豊富なイラスト・写真で木構造を巡る問題を説明している。

さすが山辺構造設計事務所

けして初心者向けの本ではない。私が興味深く読んだのは「不整形の建物の場合の構造計画」「スラブ状ベタ基礎の問題点」「壁量計算用の床面積の算定」等。

木造の設計・耐震診断・調査・補強方法まで、木造住宅に携わる人にとっては必需品のような本に仕上がっている。

最近、木造2階建て住宅の許容応力度計算の計算書をペアチェツクする機会があったが、小屋裏物置などはH12年国交省告示第1351号で規定されているにも関わらず、まったく指摘がされてなく壁量算定が過小評価されていた。建築確認許可を取得した時点の指摘事項は、不整合箇所の指摘と是正のみで、最近の審査は、どうやら間違い探しに終始しているような傾向が見られる。

かって四号建築物(三号も)の建築確認申請の審査をしていたことがあるが、木造住宅を設計している人達の技術が低下しているなぁと感じたものだ。

意匠設計者が木造伏図も書けずプレカット屋さんに全面依存し、 筋違計算も構造事務所に依頼すると聞いて 、確認申請に筋違計算書も伏図も不必要となり、「書かないから」「書けない」となってしまったのだろうか。

生産現場と乖離して図面だけ書いていると歳をとっても本当の事は何も知らない資格者(一級・二級建築士)ではどうなんだろうか。

久しぶりに「建築知識」を買ってみたが、イラスト・画像満載でリアルにわかった 気がするだけの本に進んでいるのではと思った。

まぁ こんなことを書いても年寄りの冷や水になりつつあるが・・・

【覚書】義務付け訴訟

義務付けの訴えとは、行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟をいい、2004年の行政事件訴訟法の改正で、抗告訴訟の1つとして新たに加えられた訴訟類型。

義務付けの訴えとして、

(1)「行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき」に、行政庁に「その処分」を「すべき旨を命ずることを求める訴訟」(3条6項1号)と、(2)「行政庁に対し一定の処分又は裁決を求める旨の法令に基づく申請又は審査請求がされた場合において、当該行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟」(3条6項2号)の2類型を法定している。
(1)の類型は、申請権を前提とせず、行政庁が一定の処分をすべきことを義務付けるものであり(直接型義務付け訴訟)、(2)の類型は、行政庁に対して申請した者が原告となって、行政庁が一定の処分をすべきことを義務付けるもの(申請満足型義務付け訴訟)
(2)の類型については、さらに、行政庁の不作為を争うもの(不作為型)と、申請拒否処分を争うもの(拒否処分型)に分けられる。
「直接型義務付け訴訟」
マンションにより日照等を阻害されている周辺住民が、行政庁が建築主に対して、マンションの違法部分の是正命令を出すように求める義務付け訴訟
「申請満足型義務付け訴訟」
社会保障に関する給付の申請に対して行政庁が何らの処分をしない場合又はその申請が拒否された場合に、裁判所の命令により具体的な社会保障の給付をするように求める義務付け訴訟

行政(指定確認検査機関)が建築主に対して建築確認処分を出したところ,その建物の建築によって日照阻害等の不利益を受ける周辺住民が、行政を相手取って建築確認処分の取消訴訟を提起するという場合。

既に完成した建物が高さ制限規制に違反している場合に、付近住民が行政を被告として、その建物の所有者に対して違反を是正する措置をとることを命ずることを求める義務付け訴訟を提起することも可能。

後者の義務付け訴訟(いわゆる非申請型義務付け訴訟)は,2004年の行政事件訴訟法の改正で法定されたものだが、取消訴訟とは異なって「重大な損害を生ずるおそれ」がある場合に限って提起することができるものとされていてその結果、訴え自体が不適法として却下されることが多いようだ。

しかし今後この「義務付け訴訟」は、増えるように思う。

暑中お見舞い申し上げます

image-0001

暑中お見舞い申し上げます。

毎日猛暑が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

写真のような南の海には

今年の夏も行けません。

暑さはまだまだ、どうかくれぐれもご自愛ください。

吉島家住宅 -1

DSCF3601_R

言葉には、響きがありリズムやメロディーもある。

感情や美も、意味も無意味もある。

言葉を目で追っているとき、

響きは意識の背後から忍び寄る。

詩は音のない音楽だ。

そこには、まぎれもなく恩師の言葉が残っていた。

DSCF3603_R

DSCF3604_R

DSCF3647_R

とーじ(土間)吹抜け南側からおーえ(御上)、なかおーえ、台所を見る

DSCF3653_R

1尺角桧の大黒柱

DSCF3650_R

「高山市伝統構法木造建築物耐震化マニュアル」

飛騨高山市内の伝統構法建築物を耐震改修する場合は、このマニュアルに沿ってという事で、高山市役所でもらってきた。高山市のサイトでもPDFで公開している。

img323

 

労作である。長年にわたる調査研究に基づき限界耐力計算に近い計算方法である近似応答計算で耐震計算を行っている。

高山市から耐震診断・耐震改修費の補助金をもらう場合は、このマニュアルの講習修了者に耐震診断を頼まないとならないらしい。受講者は、ほとんど高山市内の人達。ちょつとクローズ気味の制度。

補助金を貰うかどうかわからないが、高山市内で伝統構法の耐震改修をする場合は、このマニュアルに沿って実施してみたいと読み始めた。

image-0001

気がつけば、最近は構造関係の文書ばかり読んでいる。どうも関心事が広がりすぎて自分でも制御しきれない。

爺さん婆さんが二人で営む「拉麺専門店」を指向していたのだが、だんだん「食堂」になりつつある。

ともあれ、木造に関心がある人には読んでもらいたい一冊。

高山市三町伝統的建造物群保存地区

DSCF3580_R

上三之町の古い街並みを歩く

平日にも関わらず観光客は多い

DSCF3581_R

外国人観光客も目立つ

DSCF3582_R

両側に土産物店・飲食店が立ち並ぶ

地元の不動産屋さんから聞いたところ

この通りで土地の値段が坪200万円とか

思わず「えっ! そんなにするの」と言ってしまった。

人気があるそうだ。

DSCF3588_R

いたるところにある高山祭の屋台蔵

DSCF3590_R

DSCF3589_R

飛騨高山朝市

DSCF2016_R

飛騨高山の朝は早い

朝6時、駅前のホテルから歩いて宮川朝市に来てみた

高山は、交通の便はあまりよくなく、

午前中の業務の為に前泊した。

DSCF2017_R

雲に覆われて店の数もまばら

生暖かい朝だ

DSCF2032_R

陣屋前朝市も訪ねてみた

DSCF2033_R

こちらは地元の人も買いにきており

農産物や手作りの漬物なども美味しいそうだつた。

DSCF2052_R

朝市で買った茹でたてのとうもろこしを食べた

役場の食堂@東京都庁

DSCF2008

久しぶりに都庁第二庁舎4階食堂へ

   向かって左側の日京クリエイトで「Bランチ」

この(株)日京クリエイトさんは、年間総売上高257億円

社員総数6465人(2015年3月)というビッグなフードビジネスの会社

最近は省エネ計算と遵法性調査に追われる日々で

引きこもり状態

研究テーマを掘り下げるために国会図書館とかにも

足を運びたいのだが・・・

このブログも出張ついでに見てきた建物を掲載するだけになっている

来週は岐阜、8月は九州

国際友好記念図書館

DSCF1756_R

ロシア帝国が明治三十五年(1902)大連市に建築した東清鉄道汽船事務所を、

そっくり複製し建築されたものが国際友好記念図書館。

ドイツ人技師が設計した特異な建築様式で作られている。

DSCF1757_R

国際友好記念図書館の一階はレストラン、

二階は中国・東アジアの文献を収蔵した図書館、

三階は資料展示室

DSCF1772_R

DSCF1773_R

DSCF1774_R

門司港レトロ地区のマップ

愛知県庁舎

DSCF1999_R

 名古屋市本庁舎の隣にある愛知県庁

DSCF2001_R

本庁舎は、1938年(昭和13年)3月完成

西村好時と渡辺仁の基本設計を基に、

工事顧問の佐野利器、土屋純一の指導の下、

愛知県総務部営繕課が実施設計を行った

頂部に名古屋城大天守風の屋根を乗せた帝冠様式の意匠が特徴的

DSCF2002_R

DSCF2003_R

DSCF2004_R

鉄骨鉄筋コンクリート造、地上6階、地下1階、塔屋1階

平面形状は日の字型で、建築面積4,665.99m²、延床面積28,314.48m²、

高さ39.79m。重量は約73,400トン。

2002年 – 2003年度の構造調査で、

東海・東南海連動型地震で想定される

震度6弱の揺れにより中破もしくは大破すると予測されたため、

2005年(平成17年)12月から2009年(平成21年)12月まで免震工事を実施

DSCF2005_R

名古屋市役所・本庁舎

DSCF1991_R

名古屋市役所・本庁舎

国指定重要文化財

高さ53mの中央塔の上部に二層の屋根を付し

最上層の屋根先端に四方にらみのシャチをのせて、

名古屋城との調和を図っている

いわゆる戦前の帝冠様式の建物

竣工:昭和8年(1933)

構造規模:鉄骨鉄筋コンクリート造・5階建

設計者:名古屋市建築課(平林金吾コンペ当選案)

DSCF1992_R

DSCF1997_R DSCF1998_R

 名古屋市役所に打合せに行ってきました。

行ったのは本庁舎ではなく西庁舎

下の写真

DSCF1993_R DSCF1994_R

住宅都市局は、こちらの庁舎

協力事務所・調査員募集

【2021.04】現在は募集しておりません

現在、中部・関西・九州エリアで、主として鉄筋コンクリート造特殊建築物の既存建物診断調査に協力していただけれるエリア内の会社・調査員を募集しています。

【業務内容】

  1. 外壁・屋根等の劣化調査
  2. 建物のたわみ及び傾斜測定(オートレベル・デジタル傾斜計を操作できること)
  3. 建物診断補助調査(RCコア採取・中性化試験・圧縮強度試験・鉄筋探査等)
  4. 建物内有害物質調査(アスベスト・PCB・建築物石綿含有建材調査者)
  5. その他

尚、これらの業務に係る未経験者・補助員は募集していません。又学生は原則不可です。

【費用】

  1. 日当(弊社規定)及び調査地点までの交通費
  2. 又は見積書に依る。

【調査目的】

弊社は、建築基準法遵法性調査、建築基準法適合性状況調査、耐震診断・耐震補強設計、改修計画の立案及び概算費用の算出など既存建物の総合的調査を行い建築ストックのリノベーション、保存再生活用等の業務をサポートしています。

工事完了検査済み証のない建物、戦前の建物等の増築・用途変更確認申請をサポートする為、主として建築基準法第12条第5項報告を行政に提出し、これらの建物のストック活用に道を開いてきました。

業務エリアが西日本に広がり、東京から調査員を派遣すると交通費・宿泊費が嵩み依頼主の負担が大きくなりがちなので、これらのエリアで協力していただける会社・調査員を募集することとなりました。

【応募】

下記にMAILで履歴書(写真付き)、実務経歴書、ホームページ等がある場合は、URLを記載して送信ください。不在がちなので必ずMAILでお問い合わせください。

(株)寺田建築事務所  mail@taf2012.sakura.ne.jp

デザイン化された補強塀@門司港レトロ地区

DSCF1762_R

出光美術館・門司(現在、改装休館中)の道路向かいの塀が気になった

DSCF1771_R

一定の間隔で鉄板が張り付いている。

何やら古い建物の一部を補強しているようだ。

DSCF1765_R

裏に回ったら鉄骨で補強している

DSCF1764_R

DSCF1767_R

門司港レトロ地区の駐車場の塀

DSCF1768_R

かつて倉庫があり、市も知らないうちに突如解体が始まったとき

北九州市の職員が慌てて駆けつけ交渉し

建物の一部を残して補強して駐車場の塀として残したそうだ。

「アートですね」と言ったら

職員の人が喜んでくれた。