「颶風の王」河崎秋子著

 2014年に三浦綾子文学賞を受賞した河崎秋子氏の「颶風の王」(ぐふうのおう)を読んだ。とはいっても読み終わったのは、かれこれ1ケ月前になる。感想を書く時間が取れなかった。

 一応このブログに感想を書いた後、書棚に移動することにしているので、ディスク廻り、ベッドの廻りが本で一杯になってきたので書いておこうと思う。

 この本は、河崎秋子氏の長編第1作らしいが、6世代にわたる馬と人との交感を描いたまるで「ルーツ」のような本。

 「颶風」(ぐふう)とは「強く激しく吹く風」との意味らしく、四方から吹きまわしてくる風を、昔 中国では台風等の熱帯低気圧の風を「颶風」と言っていたとの事だが、現代では用いられていない。

 この本に登場する主人公達の描き方がとても魅力的だ。馬に命を救われたミネ。馬によつて命を与えられた捨造。自分が救い出せなかった馬に心を残し続ける和子。最後の一頭となった馬との遭遇により新な視野を得るひかり。

 北海道は豊かで美しいだけではない。厳しく残酷な顔の自然という面も持っている。

 河崎秋子氏の本を読むと、自然と野生というものを失ってしまった人間へその本分を問いかけてくる。

 河崎秋子氏のまだ読んでない本が3冊机に置いてあるままだ。並行して読んでいる歴史書もあるのだが、仕事が混んできたので・・・

 本中毒だからな。本をくれ、本を

没後40年建築展「建築家 村野藤吾と八ケ岳美術館」

信州から春の便りが届いた

 4月1日から6月2日まで「没後40年建築展・建築家 村野藤吾と八ケ岳美術館」が開催されるとの便り。

詳しくは、下記の信州ミュージアムガイド参照

https://www.nagano-museum.com/news/event_detail.php?id=732

 久しぶりに新緑の原村に行ってみようか。

ねぇ 婆ちゃん

「未来へつなぐリファイニング建築」青木茂著

 建築界のブラックジャック、はたまたドクターXと私が勝手に命名している青木茂さんの本。青木茂さんは随分と本を出されているので、何冊目の著作になるのかわからないが、2019年3月初版とあるし、過去の主だったプロジェクトが掲載されているので、これが近著なのかな。久しぶり青木さんの本を買ったので詳しくはわからない。

 さて青木茂さんを知ったのは、かれこれ20年程前。まだ孤軍奮闘で既存建築物の再生活用に取り組んでいられるように思えた頃だった。

 私は現在の事務所を始めた10年程前に、青木茂さんと同じように「既存建築物の再生と活用」をテーマにしようと思ったが、その前に指定確認検査機関に勤務していたので、設計というより主として法規面からのアプローチになった。ゆえに青木茂さんが外科医・整形外科医なら、私は街場の内科医、かかりつけ医で行こうと思って事務所を始めた。

 それと基礎的な現場での調査を人任せにしない、業者任せにしない事を決めた。中間管理職になると段々と現場から、実務から離れている寂しさを味わっていたからかもしれない。これは、かろうじて現在も継続している。

 昔から「外科医は切るのが好き」だそうだが、青木さんは戦国武将のような容姿で建築界を席捲し、大学教授を経て、(一社)リファインニング建築・都市再生協会の理事長になられている。営業もお上手で、プロジェクト見学会の開催通知も頻繁に送られてくる。

 この本の事に戻そう。既存建築物の再生と活用のエッセンスは、かなり網羅されている。

 ただし本を読んだだけで、ブラックジャックになれると思ったら大間違い。大変な努力と試練が待ち受けている。しかし街場の外科医・整形外科医には努力すればなれるだろう。

お彼岸

早朝から湘南新宿ラインに乗って墓参りに行ってきた

お寺横の竹林

帰りも湘南新宿ラインのグリーン車で崎陽軒の「春のかながわ味わい弁当」を食べる

帰り路に崎陽軒の弁当を食べるのは恒例となっている

お昼前に自宅に戻ることができた

午前中は晴れて良かった

「堀部安嗣作品集Ⅱ・2012年~2019年全建築と設計図集」

なんと美しい本なのだ。そう思った。

久しぶりに建築家の作品集を買った。

自分より若い年代の建築家では、以前から堀部さんに注目していた。

堀部さんの設計したものに最初に触れたのは外観と本だけだが「阿佐ヶ谷の書庫」

残念ながら まだ堀部さんの作品を体験したことがない

高知の竹林寺納骨堂と一連の施設を見に行きたいと以前から思っているのだが

中々機会がない

堀部さんの建築には「無理」がないのだ

この本の中で中島岳志さんが「堀部安嗣論」を書いている。

その中で

「堀部にとって『美しさ』は創作するものではない。美しさはやってくる来るものであり、宿るものである。美しいものを作ろうとすると、美しさは逃げていく。大切なのは、必然性に促されること。建築家の重要な仕事は、この必然性の風に乗ることである。だから、堀部の目指す建築は必然と『”すわり”がいい』建築へ回帰する。」

重要なのは「自己の表現」ではなく「場所の価値」

また住宅を設計したくなっている今日この頃

「ゴールデンカムイ鍋」

「今晩は、ゴールデンカムイ鍋だ」と妻が叫び買い物に

すぐ見てきたこと、聞いたことに感化される爺婆です。

残念ながら、リスやカワウソの肉は売っていませんでした。まあ当然と言えば当然ですが。

それで鶏肉と牛肉にしました。

鶏肉は「チプタプ チプタプ」しないで済む挽肉を肉団子に。味は「オソマ」ではなくキムチ調味料を投入。

「なんだ キムチ鍋じゃん」ということなかれ、我が家では「ゴールデンカムイ鍋」と命名されたのです。

最後にマルタイのラーメンを追加。

 ヒンナヒンナと言って皆で食べました。

映画「ゴールデンカムイ」

久しぶりに映画を観てきた。妻ちゃんと。

すでに漫画本やアニメでも見ていたが、平日の夜 映画館に

 先月末からつい先日まで、怒涛のように難易度の高い事案の相談。見積提出が続き、頭の中がプニョプニョになりつつあつた。寝不足だし、長時間寝れないし、少し休息が必要かなと思っていた。

 最近、孫娘達と話があう。

見ているものが一緒なのだ。この「ゴールデンカムイ」や「VIVANT」「ドラゴン桜-2」等。片方に合せるのではなく体験を共有していると会話が弾み楽しい。

さて実写版「ゴールデンカムイ」想像していたものよりはるかに良かった。北海道の冬の自然の中での撮影や動物たちもリアルで その迫力に引き込まれた。

 冒頭部の二百三高地の戦闘シーンも、近年まれに見るリアルな撮影。

 アシリパちゃんが可愛い。

 この女優さん、奥深い素敵な眼をしている。

 日本映画人のレベルの高さを世界に示す作品で、次回作に期待。

区画避難安全検証法

 最近、既存建築物のリノベ―ション事案で、避難安全検証法を利用することが多くなっている。

 現在基本設計を手掛けているプロジェクトでも、既存の機械排煙は老朽化で実質機能していなかったので、リノベーションに伴い新規の機械排煙設備を設置するのではなく階避難安全検証で排煙設備、防煙垂れ壁を適用除外させる方向で進んでいる。

 別の相談を受けた事案では、テナントからの要望で区画を広げたところ排煙機の容量が足りなくなり、排煙機の容量を変えると、それに伴い非常用発電機も変更しなければならず、結構な金額の設備投資となるので、避難検証法でどうにかならないかというもの。

 2020年4月1日に施行された防火避難関係規定の合理化にともない示された項目に、区画安全検証法(令128条6)が追加された。

 従来は令129条の階避難安全検証法、令第129条の2で全階避難安全検証法が規定されていたが、これに区画避難検証法が加わった。適用除外される項目は「排煙設備の設置」「排煙設備の構造」「内装制限」のみと限定されているが、階の一部分の検証で適用除外ができる。

 注意点は準耐火構造の壁、防火設備(遮煙性能付)で区画するというところ。

「めざせ!ムショラン三ツ星」黒柳桂子著

 新しいもの、変わったものをお店の中から狩猟する臭覚が優れている妻が面白かったと、背後に来て渡して行った本。1時間ぐらいで読めると言っていたが、半日ぐらいかかった。私は本を読むのが遅いのだろうか。

 刑務所には看守などの役割を担う刑務官だけでなく、教育専門官や福祉専門官(社会福祉士)、医師や看護師などの医療スタッフ。作業療法士や管理栄養士が在籍しているそうだ。

 病院や学校だって給食があるのだから、ムショだって当然 集団調理があり管理栄養士が配置されているのは何となく予想できた。

 ただ女性の刑務所管理栄養士は少ないらしい。

 この本は何も知らずに刑務所の炊場(調理場)に飛び込んだ女性管理栄養士と、料理初心者の男子受刑者たちの給食作り奮闘記。

 滅茶苦茶面白かった。

 知らなかった事を知ることは興奮する

 食生活と犯罪には因果関係があるらしい。岩手大学名誉教授の故大沢博さんの研究が紹介されている。低血糖症と犯罪の関連性やジャンクフード症候群について、それらが暴力や無気力、感情コントロールができないことにつながる可能性を指摘されている。

 ヒトの身体が食べ物で出来ている以上、思考や行動を司る脳を作るのも食べ物。そのことを意識しなければならない。

 空腹を満たせばよい、簡単で安ければそれでよいという「エサ」的な考え方では、「心身ともに」健康ではいられない。

 妻が年老いてから食と食品衛生について学び直した関係で、随分と感化されている。

 

施工会社の選定と準備期間の見直し

 どうも場所打ち杭の太物鉄筋の納期がかかっているらしい。

 鉄筋は在庫の状況などにもよるが、ロールで発注すれば1~1.5ヶ月位はかかる。というのが今までの常識。

 既製コンクリート杭の場合も端部の金物などの材料が、ものにもよるが1ヶ月ぐらいはかかる。

 また、鋼管巻きの杭の場合は、鋼管の納期が通常3ヶ月程度かかる。

 エスカレーターは18ヶ月前。エレベーターは12ヶ月前。キューピクルは6ヶ月以上前。電気の幹線や低圧ケーブルも 買い占められれているのか どうにも理由がわからいないが入荷しない。入荷しても少量。

 こんな日本に誰がした。

 こんなこと今までなかったな。

 建築工事には、相当な工事準備期間が必要だし、施工会社の選定時期、選定方法も考え直さないといけない。

 こんな時代なのに、設計図が完成してから競争見積もりで施工会社を選定し、確認おりたら、すぐ着工してという寝ぼけた設計事務所もあるようだ。

 

日比谷公園 -1

 

日比谷公会堂+市政会館

市政会館

日本プレスセンタービル

都立日比谷公園再生整備計画の説明パネル

 「都立日比谷公園は、日本における近代的洋風公園の先駆けとして明治36年(1903年)に開園した都立公園です。皇居など周辺と一体となった都心の貴重な緑と憩いの場として、長きにわたって都民に親しまれてきました。
 都は、令和3年(2021年)7月に「都立日比谷公園再生整備計画」を策定し、開園130周年を迎える令和15年(2033年)の完了に向け、本公園をエリアごとに段階的に整備していくこととしています。
 本計画では、日比谷公園を、年齢、性別、国籍、障害の有無などに関わらず、誰もが利用しやすく、楽しめる公園に進化させ、将来の都民へ引き継いでいく必要があります。令和5(2023年)年7月に本計画の実現に向け、事業計画として「バリアフリー日比谷公園プロジェクト」を取りまとめました。」と東京都のホームページにある。

ふ~んと眺めていた

「講演会・建築用仕上塗材の基礎知識」

 

NPO法人湿式仕上技術センターおよび日本建築仕上材工業会(NSK)の講演会「建築仕上塗材の基礎知識」に行ってきた。

 会場は日比谷図書館B1F日比谷コンベンションセンター。千代田区立日比谷図書館分館にくるのは久しぶり。

 建築用仕上塗材。この見慣れた仕上材 実のところ どのような性能があり、どのように製造されているのか、又どのように施工されているのか 正直深くは知らなかった。

 講師はエスケー化研さんと日本ペイントさんの方。「仕上塗材の材料説明(役割、構成、製造方法など)」「仕上塗材の施工説明(塗装方法、塗装の条件、塗装時の問題点など)」

 「既存建物の再生と活用」をテーマに、この10年程 大規模改修等に関わり始め、鉄筋コンクリート造の修復・補修技術。外壁仕上塗材の選定。古いタイル貼りのリフレッシュ工法。外部鉄骨部の塗装など 気になる事が沢山湧き出してくる。

 建築病理学が確立していない日本では、補修技術ひとつとっても手探りの状態が続く。

 この講演会の後、日比谷公園を徒歩で横断し有楽町へ、日本橋、神田、東京駅へと移動。今日も何だか慌ただしかったなぁ~。

「BCJ技術セミナー 設備設計シリーズ/ 給排水設備編」-2

 セミナー2日目は、排水通気設備・雨水排水設備の講義と演習。消火設備の講義と演習。その他の設備・トピックスの講義。

 雨水排水設備の雨水立管、横管の管径算定や負荷流量、器具単位法について学習。雨水排水計画について始めてまともな算定方法を聞いたように思う。

 この日はセミナー時間中に、珍しく何本も留守電があり、せっかく設備脳のまま昇天する気分だったのに、現実世界に引き戻された。

 まだ建築の世界では解放してくれないようだ。

 日本建築センターのセミナーは、講義も演習も丁寧で実務者向き。スキルアップには最適だと思う。

 火曜日、夕方外にでると冷たい雨が降っていた。

結婚記念日

もう過ぎてしまったが3月2日は結婚記念日

3月3日のお雛様に式場の予約が取れなくて前日になった

亡くなった妻の母が全部仕切ってくれた

写真は娘が結婚記念日にくれた花

外食をしたが、それだけでは済まないようだ

「南海トラフ巨大地震-1」原作biki、漫画よしづきくみち

出来れば目を背けていたいこと、でもいつかは現実となる巨大地震による被害

生きているうちには巨大地震は来てほしくないと、最近 爺婆連中と話している。

東日本大震災の時から、水や食料等の防災用品は整えている

こうした地震がテーマの本は、避けるんだけど つい買ってしまう

この本は、2023年に初版で、私が購入した本は2024年2月の第5刷

重版出来のベストセラー

皆 同じような気持ちなんだろうな

地震と向き合い乗り越えてきた民族

「BCJ技術セミナー 設備設計シリーズ/ 給排水設備編」-1

 

 設備パーションアップイヤーのステップ-1が「設備設計一級建築士更新講習」。ステップ-2が「BCJ技術セミナー 設備設計シリーズ/空調設備編」。そしてステップ-3が、この「BCJ技術セミナー 設備設計シリーズ/給排水設備編」。ステップ-4が「建築設備一般」が6月の予定。ステップ-5の電気関係セミナーは、どこのを受講するか、まだ決めていないが仕事の関係で秋以降になりそうだ。

 月曜日このセミナーに参加した。対面式で朝から夕方まで受講。

 第1日目は、給水設備の講義と演習、午後は給湯設備の講義と演習だった。

 基本的な事項からおさらいが出来た。演習が多いので刺激になる。何だか設備設計者になった気分。

 見回したところ爺は他にいない。意外と若い人が多いが、それでも初心者というわけでもなさそうだ。

 資格試験の為の勉強とは異なり、実務に役立つ勉強は有意義だ。

 建築コストの中で設備関係のコストは年々比率を高めている。建物が使われてからのクレームも設備関係が圧倒的に多い。それにも関わらず設備設計者は段々少なくなる。同年代のベテランも自営業を辞めたり、事務所の規模を縮小した人が多い。口だけ動かす人ではなく実際手を動かす人を増やさなければ。

スイカゲーム

最近、密かにマイブームなのがスイカゲーム。

孫娘達が来たとき、スイカゲームで遊んでもらう為に特訓中。

スイカ1個はできるのだが、スコアが低迷中

土曜日に孫娘が来たがゲームでは遊んでもらえなかった。

彼女は彼女で色々と忙しいようだ 

 このゲーム、頭の中が空っぽで出来るし、反応速度が遅いので年寄り向き。

アクセスデーター 2024年2月

2024年2月のアクセスデーターは、visits一日平均6,997。pages一日平均24,655でした。

またvisits月202,920。pages月715,005でした。

 2月は随分アクセス数が増えました。「人狼」ゲームで反応がありましたが、その他でも従来にないアクセス数となっています。

 AI生成、チャットGPTのために、ビックデータ収集の各社のロボットが汗水たらして働いているからではないかとも言われています。

 本当のところは知りませんが。

 

既存建築物の図面復元

 既存建物の遵法性調査やリノベーション、レイアウト変更を行う際、新築時の図面が全部または、一部しか残っていなかったり、当時の図面と異なっていることがある。

 不動産が流動化する時代では、既存建物の図面、図書等整備も資産価値を下げない一つの要素である。

 現状を実際に把握しないと方針は決まらない。とにかく図面がなければ次の展開には進められない。

 検査済証があろうが、無かろうが、既存建物を活用しようと思ったら「まず調査」から始めないといけない。実際には一度ならず追加調査が必要だったりする。そしてその調査の野帳は、自分だけでなく他人が判別できるものでなければならない。それには一定のレベルの人材による作業が必要である。

 実際の図面復元は、アナログの極致で平面・断面・立面の各部位を実測し野帳図に書き込み、写真や動画を撮影して、現在ではCADで作図する。図面の復元と言っても意匠、構造、設備、電気等 どこまで復元するかによって人手と費用は大きく変わる。

 

 上記の2枚の画像は、10年近く前だが木造家屋の調査で私が担当した断面野帳。フリーハンドでも、他の人が見て判りやすい野帳にする必要がある。

 もっとも最新鋭技術で、建物全体を3Dデータ化することで、3DCAD上で建築図面を再現することができるそうだ。まあ高額なので中々一般には普及しないとは思うが。

 一方で図面復元をしたことを、ことさら「すごいでしょう」と吹聴したり、過大評価する第三者がいたりするから世の中面白い。図面復元をしたことがない人達からしたら大変な業務なのかもしれないが、古民家や木造住宅、社寺仏閣のリノベーションの世界では当たり前の作業。

 筆者も学生時代から伝統建築物の調査や図面復元に関わっているので、汗をかきかき灼熱の天井裏で調べたり、狭くてかび臭い床下にもぐり調査したり大変な作業であることは間違いない(尚、最近は体積が多くなり過ぎたのと加齢のため、小屋裏、床下の調査があっても若い人にお願いしている)が、だからといって全体を指揮して調査し図面を復元するのは苦にはならない。

 現場に行くこと、汗をかく仕事を避ける設計者もいるようだが、古来より「現場に神宿る」と言われている。歳をとっても、それだけは譲れない。

スリランカ紅茶専門店 風舎

 先日、調布市に行った折。集合時間の15分前に調布駅に着いたので、以前クライアントとお茶して美味しかった「スリランカ紅茶専門店 風舎」に立ち寄り紅茶を買ってきた。

 調布駅北口の電通大通りの東側にある天神通りは道幅は狭いが、小さいが個性的で魅力的な店舗が幾つかある。その中の一軒がここで、昨年調布に来たときは「風舎」は休みだった。

 「砂糖もミルクも入れないで飲んで美味しい紅茶を下さい」と聞き、お薦めでこの紅茶葉を買った。

 深い香りで旨し。

Dキューブ 見学会

 

 昨年2023年9月末に引き渡しが完了した調布市のテナントビル「Dキューブ」の見学会があった。

 建て主が会員になっている一般社団法人 日本不動産経営協会の見学会で、16名が参加された。日本不動産経営協会は、1981年に結成された賃貸不動産経営者の団体で会員数100名余りと聞いた。

 協会の主旨は「JRMA(ジャルマ)=社団法人日本不動産経営協会は賃貸不動産経営者の組織で、相互に情報をギブアンドテイクし、不動産賃貸経営の知識を高め実践していく勉強会です。マンション、アパート、ビル等の賃貸物件を事業的規模で所有し、賃貸経営に係る知識やスキルを磨くといった、賃貸経営に前向きに取組む姿勢のある会員が集まっています。」と書かれている

 見学会の為に簡単な説明資料(A4版7頁)を作成し説明をしてきた。建物概要、建物履歴、Dキューブの選択、技術的問題、検査済証が無い既存建築物のデメリット等を出来るだけクライアントの立場でわかりやすいものと考え作成した。

 1、2階各2区画のテナント入居契約が1月末に全て完了し、1階の南側に既に昨年11月KFCがオープンしている。これから残りの3区画の内装工事が始まる。

  見学会の後、飲食店を借切った懇親会にも参加して交流してきた。参加者の多くはレジデンスのオーナーのようだったが、「すごく勉強になった」「刺激になった」「検査済取れるのがすごい」「頂いた資料を見返して、調べて勉強します」等の感想をいただいた。

 

 

「BCJ技術セミナー 設備設計シリーズ 空調設備編」-2

日本建築センターの「技術セミナー 設備設計シリーズ 空調設備編」2日目をWEB受講した。

 セミナーの第2日目は「空調負荷計算」「個別分散空調システムの設計」「エルルギー消費性能の評価」だった。

「空調負荷計算」では、空気調和・衛生工学会の熱負荷計算ツールであるHASPEEを利用したことがなかったので今後役に立ちそうだ。

「個別分散空調システムの設計」では、全熱交換機・外気処理機を設置すれば空調負荷が軽減される事。室外機の能力ダウンにつながる事。さらに直膨コイル付き全熱交換ユニット又は調湿外気処理機を設置すれば、外気負荷はほぼ100%処理可能となることを知ったのは、新しい知見だった。

「エネルギー消費性能の評価」は、標準入力法の解説で、これは既知の分野だったが、「標準入力法と空調設備パターン別入力方法早わかり講習テキスト」は、実務に役立つテキストだ。

 BEIの算定も、同一建物の条件で「全熱交換器なし」「全熱交換器あり」「外皮性能向上+全熱交器あり」の3ケースで比較した演習で、その違いがわかり為になった。

 2000㎡以上の大規模建築物の省エネ基準は、今年2024年4月から「0.8程度」に引き上げられる。(詳細は下記、建物用途によって基準値は異なる)

又ZEB対応も増える事から、モデル建物法から標準入力法の利用が増える事が予想されている。

 2日間の空調設備のセミナーは、今後の実務に役立つ内容だった。

「土に贖う」河崎秋子著

 2020年第39回新田次郎文学賞を受賞した河崎秋子氏の「土に贖う」(つちにあがなう)を読んだ。今、河崎秋子氏の小説を続けて読んでいる。

この本を読んで、つくづく生まれ故郷の北海道の事を知らなかったなぁ~と思った。

 北海道の厳しい自然環境の下で近代に栄えた産業や職業。具体的には養蚕、ミンクの飼育と毛皮、海鳥の羽根、馬、ハッカ草、煉瓦等を題材に、それらの消長を通して、人が今日生存する意味を問いかける短編集となっている。

 表題作の「土に贖う」は、戦後急速に需要が伸びた煉瓦の生産現場を舞台にしている。便利さと効率を追求し続けた近代以降の社会は、人間を豊かにした反面、生産にノルマが課され、労働者は徹底的に管理されてゆく。本当に「豊かに」なったのかということは疑問に思っているが、それは又別の機会があれば書いておきたいと思う。

 「皆が皆、同じ動きを繰り返して綺麗な直方体になるよう」土から成型されるレンガを近代労働者のメタファーにして「少しの歪みや割れが生じれば、正規品からいとも簡単に外される。不要とされ、捨てられ、顧みられることはない」レンガ同様に、それを作る人間も容易に使いつぶされる。

 先日、集まりの中で、現代は職人技術が急速に失われて行っていると言う事が話題になった。建築、印刷、自動車等。異業種の集まりだったので盛り上がった。ちゃんと食べていけて家族を養っていける職種ならば、息子や娘に継がせることはできるだろうが、食べていけないと予測できるから、職人は自分たちとは違った将来を自分の子供達に望むのではないのかと・・・。

 それにしても河崎秋子氏のリアリティある描写は圧巻であり、現実の厳しさを再現しながら、それらに打ち勝つ力のようなものを読者に蘇(よみがえ)させる。