小さな家

平屋で20坪以下、老人夫婦の終の棲家。そんな住宅のスダディを続けている。

たまには、ちゃんとした設計の依頼もあるのです。

ところが、小さい家というと、どうしてもル・コルビュジェの両親の家を思い出してしまう。スイス・レマン湖畔に建つこの家は、建築を学んできたものにはあまりにも有名で、湖に面した横長の開口部、その開口部に沿った横長の机、間取りの周遊性、機能的な水廻り、屋上緑化、ル・コルビュジェのエッセンスが詰まっていると言われている。小さいけど魅力的な家。下記は公式サイト。

http://www.villalelac.ch/en

平面図、横16m×縦4m、図面下がレマン湖

はたしてル・コルビュジェの呪縛から逃れることが出来るだろうか。スタディは続く。

ディーサービス 元気アップリビング

埼玉県川越市内の軽量鉄骨造2階建ての事務所をディーサービスに用途変更したプロジェクトです。平成30年4月30日に竣工しました。

既存建物の工事完了検査済証が無かったので、弊社が調査・申請・設計を担当しました。外装はほとんど変更していません。

【1階・機能訓練、食事 レクリェーションスペース】

【浴室】

【洗面】

【機能訓練~脱衣室】

建築基準適合性状況調査及び建築確認申請(用途変更)は、川越市に提出しました。

【事業主】株式会社 アリーフ  (株)アリーフ

【内装設計・施工】株式会社フリーデア 一級建築士事務所

【調査・申請・設計】株式会社 寺田建築事務所

【概要】軽量鉄骨造2階建て 延床面積279.05㎡

既存建物 建築確認:有(平成13年2月)、検査済証:無、構造計算概要書:有、既存図面:一部有

PROJECT-戸塚 木造耐震診断+補強 2017.12竣工

横浜市戸塚区内の生産施設の守衛所です。築55年木造平屋建て49.5㎡の建物の耐震診断と補強設計を担当しました。

守衛所は生産施設の受付=顔でもあり、コントロールセンターでもあります。内部は各種警報盤、制御盤で壁面が埋め尽くされています。

解体新築や内部耐震補強となると設備の移転や一定期間休止する必要があるということでアウトフレーム耐震補強を選択しました。

【BEFORE】

鉄骨アウトフレームだと仰々しい。壁面ブレースだと安っぽいということで、在来木造によるアウトフレーム耐震補強を提案しました。

外部袖壁(W=600mm)を四周XY方向に設け壁量を増設しています。既存の柱に袖柱を添わせて後付け金物で一体化を図りました。

【設計・施工】(株)アセツト・ファシリティーズ

【耐震診断・補強設計】(株)寺田建築事務所+小野雅之

PROJECT-西池袋 ELV増築 2017.12竣工

築26年の鉄骨造3階建て、延べ面積337㎡の1・2階が共同住宅、3階オーナー住宅の建物です。3階オーナー住宅への直通エレベータ-を設置する増築工事ですが、工事完了検査済証が無かったため建築基準適合性状況調査を行い、豊島区に法12条5項報告を提出したあと増築確認申請を提出しました。

平成29年1月26日建築確認済証交付、平成29年12月28日検査済証交付。

お客様の都合で着工が夏頃からとなり、昨年夏の長雨もあり約1年かかって竣工です。

周辺地域は、戦災で被災しなかった地域で、狭い道路の為に大型トラック、クレーン等による搬入出や建て方が出来ないため工事に苦労したようでした。

【写真は、昨年末のもので一部外構工事が未了です】

既存建物の検査済証が無いということでエレベーター増築の申請手続き・設計ができる事務所をずっと探しておられたと聞きました。歳を取られたお母様の為に何とかエレベーターをつけてあげたい。という二人の娘さんと御家族の思いに応えられて良かったと思います。

【調査・申請・設計】(株)寺田建築事務所

【工事監理】濱田直子設計室

【施工】山和建設㈱・新宿区西落合

【エレベーター】パナソニック

多世帯住宅のスタディ

地方都市の郊外に計画した二世帯住宅(下図)

敷地面積は100坪というのは地方都市の郊外では、一般庶民でもさほど非現実的な敷地面積ではない。

一敷地一建物の原則により、左側の老夫婦の住まいと右側の若夫婦の住まいは敷地分割し、駐車場と庭、アプローチをシェアする。

老夫婦の住まいは平屋で延べ面積が18坪、若夫婦の住まいは二階建て延べ面積が34坪。

これなら将来、老夫婦の住まいが不要となったとき、第三者に賃貸することも容易。

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一旦外に出て、行き来するよりは、やっぱり中でつながっている方が使いやすいという意見で修正したのが下の図面。

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洗濯室と老夫婦の住まいの玄関でつながっている。これも玄関と洗濯室の間の戸をふさいでしまえば、左側の部分を賃貸することは容易だろうという意見により修正されたもの。

ところが、「平屋がいいわ」「家庭菜園をしたい」と言う老夫婦の意見に沿った計画も、若奥様の「子供の通学はどうするのよ」「小学校は、公立ではなく私立も選択肢に入れないと」いう事で、もっと駅近くの敷地面積の少ないところに計画地が変わった。

それは、木造三階建て多世帯住宅なのだが、それを紹介するのは後日。

都電荒川線沿いに住まう・・・study-2・風

下記の図は、東京の通年の風配図である。

卓越は北北西

下記の図は、月別の風配図である。

風配図とは、方位別の風の出現頻度を百分率あらわし、放射状のグラフで表示させたものです。

東京の風配図の出典は下記

http://www.jma-net.go.jp/tokyo/sub_index/fuuhai/fu662.htm

ただ、下記のサイトにもあるが練馬・府中・八王寺などのデーターを比較する西側と東側では随分と風配図も異なるという印象を受けた。

http://www.jma-net.go.jp/tokyo/sub_index/tokyo/kikou/t_fuuhaizu/index.html

さて、豊島区の都電荒川線沿いの住環境を考える場合、ビル風による局地風の影響が甚大である。

サンシャインビル・東池袋再開発地区・・・

これらの高層ビルの冬場のビル風は非常に強いが、たぶんこの地域に住んでいないとわからないと思うが・・・

ビル風については後日投稿する。

 

都電荒川線沿いに住まう・・・study-1・騒音

都電荒川線沿いに住むこと、住み続ける為に建築計画上 考慮すべき事はなんだろう。

このところ住宅の計画案をスケッチをしながら考える。

豊島区の都電荒川線の都電雑司が谷駅から東池袋4丁目駅、向原までの都電を挟んで補助第81号線という都市計画道路があり、すでにかなりの部分の建物が移転・解体され、多くの住民が住みなれたこの地域を離れている。

今までは都電に面してはいなかったが、都市計画道路のおかげというか、にわかに日当たりが良くなり、都電の音がダイレクトに室内に入ってくるようになつた住宅もある。

そこで まず都電の騒音はどのくらいあるのか、資料をあたってみた。

上下の表はともに豊島区のサイトに掲載されているものである。

「豊島区清掃環境部 環境課 環境保全係」 表の出典は下記

http://www.city.toshima.lg.jp/kankyo/kogai_souon/index.html

騒音の測定箇所は西巣鴨のものだが、等価騒音は昼間で58dbだから、西武池袋線や東武東上線と比べても低い事がわかる。

電車の速度そのものが違うので、都電は住宅地の中を走っていても共存できる乗り物だといえるかもしれない。

問題は、補助第81号線が開通し自動車騒音+都電の騒音となったときはどうかということだ。

これについては、まだ資料を集めきっていないが、木密地域不燃化プロジェクトの対象地の建物の住環境をどう維持するか課題は多い。