tonarino -1

名古屋市の名城公園北園にできた公園商業施設。

食・体・緑・集の4つのキーワードで企画されたという。

2024年9月の外観写真

2017年新築時の外観写真

今ネット上で話題になっている那珂川町馬頭広重美術館。築24年で大規模改修の資金集めで一躍「KUMA害」「腐る建築」と言われている。馬頭広重美術館は、新築してから5年程経った時に見に行ったが、すでにその時 杉材は曲がりくねっていた。

隈の影響か建物の表層に細い・薄い木材を使う事が建築界で流行り、この建物も築7年でこの状況。

どんな材料で処理をしたのか知らないが、年月の風合いを醸し出すどころか汚らしいくなっていくことが予想できないのだろうか。

最初から焼杉加工して、真っ黒くろんちょでも良かったろうに。

設計はマウントフジアーキテクツスタジオ

名古屋造形大学名城公園キャンパス -1

名古屋市北区にある名古屋造形大学名城公園キャンパスを見てきた。朝9時過ぎに着いたが中に入れなかった。守衛さんに聞くと、この日は公開していないという。じゃ外廻りだけでも見て写真撮らせてくださいとお願いし建物の廻りを回っていたら、守衛さんが追っかけてきてくれて、11時ぐらいになったら南北から入れるようになると告げられた。

じゃ道路向いのtonarinoでお茶して、11時頃でなおします。と言い。実際スタバでお茶して再訪。

設計は、山本理顕設計工場

3Dスキャンによる既存建物の図面復元

 既存建築物の図面復元を目的に3Dスキャンによる撮影調査を行った。既存建物本体と あとから増築した部分が多くあり、尚且つ アナログで調査するにしても足場が必要だし、高所作業となるために3Dスキャンを採用した。

 3Dスキャンによる点群データから3Dを復元し、そこから2Dの図面(平面図・立面図・断面図)を復元する。それをもとに構造図も作成する予定。

 近年3Dスキャンは、著しく普及し始めたと感じる。だれでもかんたんに3Dモデルを作成でき、共有できる安価な機種が出てきた。
 ただ既存図面の復元に採用できるレベルの高精度の場合は、どうしても測量で使用するような高性能のスキャナー、専属の撮影者、ハイスペックなPCが必要である。今回は測量並みの点群データ密度を求めた。

 狭い室内の改修の現場とか、人がレーザーを使用し測定するような安価な機種も出始めたが、こうした使用用途によっては素早く撮影でき、AIが自動的に3Dモデルを作成してくれるというようなこともできる。ようは点群をどのような利用用途で使用したいかとということにつきる。

ドローン調査

 既存建築物の劣化状況等を把握する為に、ドローンによる動画撮影調査をした。

 使用したドローン(無人航空機)は、DJI Mavic 3 pro

 調査場所が名古屋飛行場に近かったので、県営名古屋空港事務所、航空自衛隊 小牧基地、所轄警察署について、それぞれ、ドローンの飛行に関する通報と届出をした。国土交通省については、DIPSでの通報と許可申請済。

 建物本体と、あとから増築した部分の取り合いが多くあり、地上からでは確認できない事。確認するにしても高所作業になる事から、今回はドローンによる動画撮影を選択し、発注者の了解を得られた。

 

 撮影されたMP4の動画が1ファイル約3分で平均3.5GB。合計23ファイル撮影され約70分弱。容量は73GB。

 全て見直したら 屋根の劣化状態や屋根の取り合い等地上からでは解らなかった事も判り、ドローン撮影は有用だった。

火災保険

30年前に設計した店舗付き共同住宅(鉄骨造3階建て)のクライアントから電話がかかってきた。

住宅金融公庫の返済が終わり火災保険も終了したので、新たに火災保険に入るのだが、建物は耐火建築物か準耐火建築物か否かという質問だった。

保険会社から確認申請書には書いてあるはずだというが、書いてないという。昔は、確認申請書に、その事を書く欄がなかった。今はあるけど。確か図面の設計概要に書いてあるはずと返事したら、小さく「準防火地域、準耐火建築物」と書いてあったとの事。

それから近況と雑談

民間保険会社の火災保険はどこも高い事。ユニットバスのFRPに細かいヒビが入ってきたが、何故か給湯器が30年持つているので、給湯器が壊れたらUBも交換しようかと思っていると言う。給湯器突然死するかもしれないよと答えると、給湯器とUBとで150万ぐらいかかるとの事。ちゃんと見積は取ってあるようだ。

子ども達が使っていた部屋は、現在空き部屋。クライアントの両親が住んでいた2階も空いている。今は関西にいる中学生になった孫に、東京の大学に進学して、ここから通えばいいと盛んに勧めているとの事。

それにしても、一度外壁や屋根の塗装など改修工事はしているが、家を持ち続けるのも結構金がかかるものだと、つくづく思う。

テラダモケイ 1/100×100

銀座松屋7階で開催されていた「テラダモケイ 1/100×100」を「パンどろぼう展」の待ち時間に見てきた。

「テラダモケイは模型を通じて、モノに縮尺を与え、ディテールを与えることによって生まれる造形の可能性を探っていくことを目的に設立されました。なぜなら、模型には本物を模型に置き換えることで、本物のエッセンスや夢がギュッとつまっていて本物よりもステキなものになる可能性があると思うからです。また、模型は組み立てるプロセスを楽しむことも重要だと思います。テラダモケイは模型を組み立てることの楽しさや、それを想像することの楽しさも伝えていきたいと考えています。」とサイトに書いてあった。

自分は、学生時代から模型製作は あまり得意ではなかった。だから模型の得意な人。上手な人は尊敬するし、憧れる。

模型を見ていると、色々な事を思い出す。

学生時代の課題で作った吉村順三さんの軽井沢の別荘1/50のバルサ模型には苦労した。確か60点ぐらいしか貰えなかったように記憶している。アルバイト先の建物の模型製作では不評だったこと。自分で作ったものは、あまり良い出来のものはなかったかな。

学生時代に模型のアルバイトで某アトリエ事務所に入り、卒業後そのまま正所員になった奴がいた。薄給で仕事が忙しすぎて自宅アパートに帰れないから事務所に寝泊まりし、生涯結婚もせず、たまに逢うと言葉は尖り、眼だけはギラギラしていた。身も心も建築に捧げて若くして死んだ友を思い出す。

テラダモケイさん。同姓だけど親戚でもないし知人でもない。でも尊敬しちゃう。

最近は色々な事象から昔の事を思い出すことが多い、歳をとったのだな。

パンどろぼう展

午前中打合せの後に、久しぶりに銀座に足を延ばし銀座松屋で開催されている「パンどろぼう展」へ行ってきた。

銀座松屋8階のイベントスペース。とても混んでいて整理券を配布して入場まで1時間半待ちだった。

どこが面白くて、何が楽しんだか、自分には、さっぱりわからないが、幼児から年寄りまでファン層は幅広いようだ。

何カ所か写真撮影がOKのところがあつたが、会場が狭いのかグッズ売り場も含めて混雑。夏休みが終われば少し入場者は少なくなるのかも知れない。

同じ松屋8階で開催されていた「WIND BREAKER展」。こちらは若い女性達が長蛇の列。こちらも、なんで人気があるのか さっぱり理解できないが。同時期に人気イベント開催なので混雑・混雑。ぐちゃぐちゃな状態は想像できるかと思う。

多分イベント屋さんが、多数のアルバイトを集め、会場整理・誘導、レジ等に配置しているのだと思うが不慣れなバイトが、さらに混乱を招いているようだった。

デパートにとって、こうしたイベントとのシナジー効果(異なる要素や組織が相互に作用し合うことで、単独での効果や成果を上回る効果が生まれること)はあるだろうが、それは、互いが上手く出来ている場合で、逆に評判を落とす場合もある。

デブはデパ地下が大好きで、あまり行った事かないデパートに行くと必ずと言っていいほど地下におりる。この日もデパ地下を見て歩いて、期間限定の店のプロの販売員さん達の客さばきに惚れ惚れした。8階の混乱、客さばきの素人さと対比して際立っていた。つい買ってしまう。どんな仕事にもプロはいるものだ。

今日のつぶやき

最近は、御無沙汰しているX(旧Twitter)。デマと冷笑が渦巻く言葉のゴミ箱になっているが、たまに見ると記憶に残る投稿もある。

「効率を上げたところで増えるのは給料じゃなくて仕事だしな」という、まさにつぶやき投稿が目に入った。

確かにサラリーマンはそうだろうなと思った。

でも自営業者は、効率(労働生産性)をあげると直接的に報酬に結びつくから、どうしたら効率化できるか、いつも注意を払っている。

溶けそう

朝から外出。

午前中 世田谷消防署で打合せ。世田谷消防署では打合せ議事録を交換して共有してくれるとの事。勿論、議事録は設計者側で起案するのだが、議事録の共有は、とても良い取り組みだと思う。

三軒茶屋駅から世田谷消防署まで片道600m強。往復1.2km。朝から暑くて溶けそうだった。

それでも最近ジムで30分約10kmの自転車漕ぎをしているせいか。少し足腰は戻りつつあるように思う。

世田谷消防署の打合せに同行した機械設備・電気設備設計者と三茶でお茶とランチで休息。色々と話題が尽きず楽しかった。歳をとっても健康で元気な秘訣は歩く事。足腰を鍛えることに尽きるそうだ。

夕方近く新橋に移動して既存建築物の相談案件の下見2件。ビル内だけど空調がなく暑い。

又小さいけど新しい仕事が増えた。帰宅してシャワーを浴び、そのままベッドイン。午前2時起床。頭がすっきりして今日も快調。

世の中は旧盆期間・夏休み中だったのでメールも電話も来なくて、随分とディスクワークが進んだのだが、本を読んだり遊ぶ暇が無くなるのがつらい。

金森赤レンガ倉庫 -3

金森洋物館

金森洋物館の隣にある気になった建物「イタリアンゴーゴー」

内部

右手海岸側にラッキーピエロマリーナ末広店、

スターバックスコーヒー函館ベイサイド店

天気予報は曇りだったが晴れた。ずっと海を見ていたいと思った

観光地的なところは駆け足で回ったので、函館でまだ見ていないところは随分とある。特に歴史的建造物の集中している末広地域は、昼と夜に車窓から見ただけなので、じっくり見てみたいと思った。

詳細は、函館市の「伝統建造物一覧」↓

https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014021200255

今回の函館出張は、往復ともに東北新幹線と北海道新幹線の「はやぶさ」で行って来たが、帰路の「はやぶさ」では北海道側では木古内。青森では奥津軽いまべつ という駅に停車することを始めて知った。奥津軽いまべつ駅は人家がほとんどない山の中で、「何故こんなところに新幹線の駅があるの」と人に聞くと、考えられるのは自衛隊の基地があるからではないかという。

緑が一杯で空が広い北海道と東北を車窓から眺めてくると。なんとも住んでいる処の窮屈さ、退屈さが気になってしまう。

「建築物の防火避難規定の解説2023」日本建築行政会議編

「建築物の防火雛規定の解説2016(第2版)」の発行以降に行われた建築基準法令及び国土交通省告示の改正内容、さらに関係各方面からの質疑回答を反映している。

いつも前版との差分を確認するのだが、新しい項目の追加は見られなかった。

「耐火構造の屋根の例示仕様について」の内容が追記されているのが目についたが、質疑回答を本文に反映した変更が多いように思う。

ともあれ特殊建築物が業務の中心になっている設計者にとっては、今や必携書となっている。

金森赤レンガ倉庫 -1

金森赤レンガ倉庫は、倉庫の店舗へのコンバージョン(用途変更)の先駆け

小樽よりも横浜よりも早い

金森商船株式会社が管理・運営。金森商船は、大分県出身の実業家、初代渡邉熊四郎が明治時代に開業した「金森洋物店」が起源である。現在はショッピングモールやビアホール・レストランが入居する函館の観光名所となっている。この地域一帯は重要伝統的建造物群保存地区、街並みは北海道遺産に選定されていて、周辺も含めて綺麗に整備されている。

函館市は、世界三大夜景に数えられる「函館山からの夜景」や明治の文明開化の歴史を感じさせてくれる異国情緒ある街並みなど、国内・国外を問わず人気の観光地。

2年続けて函館を訪問したので、多少地理がわかるようになって街の概要を掴むことができた。山あり、海あり、歴史あり、美味いものありでバランスがとれて、ポテンシャルのある魅力ある土地だということが実感できた。

函館山夜景

一度は、この目で見て見たかった函館山からの夜景。とても美しかった

展望台はものすごい人だった

タクシー運転手さんの薦めで、タクシーで函館山に行き運転手さんにガイドしてもらったので、展望台とは別のところから函館の夜景を見る事ができた。

函館山ロープウエィは、夏の時期は、乗るのに1時間待ち、降りるのに1時間待ちになるという。実際ものすごい人で溢れかえっていた。ロープウエィの往復運賃が大人1800円/人だから、4人だと7200円。4人だとタクシーの方が安上がり。

携帯電話の写真だから良い画像ではないが、本当に美しかった

北海道のタクシーは迎車料金がかからない。タクシーに待っててもらっても駐車料金がかからない。道が広いので路肩に駐停車していて平気らしい。長距離割引というのもあるとの事。認定観光ガイドになっているドライバーも多いので地域の歴史・食事処など話題が尽きない。その地域の情報はタクシードライバーから得ることが多い。タクシーのドライバーは、ただ運転しているだけじゃない。ライドシェアなんか糞くらえだ。

函館八幡宮

函館八幡宮は、函館山の南東麓に東面して鎮座し、函館山の緑に囲まれ社地は函館市街を俯瞰する。

かつての蝦夷地総社である。

観光客が少なく、落ち着いて参拝できた。

石造りの鳥居

創建は室町時代の1445年。1880(明治13)年からこの地に移り、現在の社殿は1915(大正4)年に建てられた。聖帝造り(藤原時代の寝殿造りの後方の一間を切り取った形)に、八棟造り(本殿と拝殿とを中殿で連結)を合わせた「聖帝八棟造り(しょうていはちまんづくり)」の荘厳なたたずまい。

参拝前に手や口を清める「手水舎(ちょうずや)」には、時期によって、季節の花が浮かべられた「花手水」が見られる。春は椿、夏はあじさいなどとか。

こちらは鶴若稲荷神社(つるわかいなりじんじゃ)

色々な花手水があり、楽しい

センチュリーマリーナ函館

2019年5月にオープンしたセンチュリーマリーナ函館

外観は、平坦でモノクロの色彩。多分コスト優先

どこからパクツタか、すぐわかる

2階部分から撮影

このホテルの経営主体は札幌国際観光(株)。現在は函館・釧路・利尻に3件のホテルを所有しているようだ。札幌国際観光(株)は老舗なのだが、以前民事再生法を出し、釧路市に本社を置くクリーニング道内大手のマルセンクリーニングの援助を受けた。現在は関連会社となっている。

ロビーは お金がかかっていて立派

客室は、インテリアと建築がちょつとちぐはぐの印象を受けた。価格と設備とサービスがアンバランス。ドーミーインのように徹底的に無駄を排除し、宿泊客にやってもらう事で低価格を実現するならわかるが、サービスをカツトして高価格なのは理解できない。所詮インバウンド対象のホテルなのかも知れないが、激烈な函館ホテル戦争を勝ち抜いていくことは難しいのではないかと感じた。

函館朝食ビュッフェ戦争とも言われている函館では、函館国際ホテルがステーキを提供し、ここセンチュリーマリーナ函館は鮪を提供している。いずれも見た目重視で味はそっちのけ。昨年宿泊したラビスタ函館ベイ(共立リゾート)も函館朝食ビュッフェ戦争の只中にある。

函館駅から金森倉庫群迄の旧倉庫群は、ほとんどホテルに建て替わっている。そして、これからも新設ホテルの計画があるからビックリする。

令和6年(2024年)3月に発表された北海道経済部観光局の「令和5年度(2023年度)上期観光入込客数調査」によると、

外国人客の9割弱は、韓国・台湾・香港・中国・東南アジア諸国。

函館駅

約1年ぶりの函館

函館駅前広場

昨年は、雨で函館本線が停まり札幌で約6時間足止めをくらった。函館に着いたのが23時頃。すぐタクシーで移動しホテルにチェックインしたのが23時30分ぐらいだったので、昼間の函館駅は初見。しかも前回は雨だった。

今回は前泊でも、前日の昼に函館入りを果たした。少しは函館の市内を見て歩くことができそうだ。観光客は多そうだ。

設計者冥利

「どんな仕事だと、やりたいと思うの」と最近ある人から聞かれた事。

「親と同居したいので増築したいけど検査済証が無いので確認申請が出せない。なんとかして」「息子家族と二世帯住宅にしたいので増築したいけど検査済証が無いので確認申請が出せない」「3階に住んでいる年老いた母親の為にエレベーターを増築したいが、検査済証がないので」

これまで他の事務所では出来ないからと弊社で受けてきた業務。建物の規模は、小さくても人の為になったと実感できる仕事。テナントビルを設計すれば全テナントが埋まり満室になる時。

施主の喜びは私の喜び。

それが設計者冥利というもの。

もう年老いてきたから「名」を求めない。

爺婆の事務所だから経費はかからないので、そんなに利益は求めない。「実」が少しあればよい。

本を読み、映画を観て、家族と過ごす。そんな自由な時間を過ごせればよい。

夜中に思いつくままの事を書いているが、今週の出張の準備をしなければならないのだった。

「借地借家法の解説(4訂版)」渡辺晋著

最近は、借地借家法第28条に基づく立退きの正当な事由に関する調査・報告書作成依頼が多いので「借地借家法の解説」を再読。

この本、今秋には「5訂版」が出版される予定らしい。この「4訂版」が令和3年4月に出版された本だから基本的なところは変わらず、最新裁判例や賃貸借にまつわるトラブルが追加されるのではないだろうか。

「5訂版」も予約しておいた。

「借地借家上、建物とは、土地に定着し、周壁、屋根を有し、住居、営業、物の貯蔵等の用に供することのできる永続性のある建造物」(大阪高判昭和53.5.30、東京地裁平成19.12.20)「建造物の一部についても、障壁その他によって他の部分と区画され、独占的排他的支配が可能な構造・規模を有するものであれば、建物になる」(最判昭和42.6.2)

これは建築基準法第2条の「建築物」の用語の定義に沿っている。

ただ、賃貸借契約でも多様なものがある。「サービスオフイス」、「建物内の売店」、「商業施設内でのケース貸し」「鉄道高架下」、「立体駐車場部分」、「社宅・宿舎」、「公営住宅」、「経営委託・業務委託・営業委託」等、賃貸借が否定された事案もあり、個別事案の実質に沿って判断されるようだ。

仕事柄、主として「借家」に関する事を中心に読んでいるが、具体的なトラブル事例が豊富で、実務者向けの必携本。

深夜の調査

既存オフイスビルの調査。

各テナントが終業した21時とか22時から現況調査をして、帰りはタクシーという生活が続いた。

何しろ全体で1万㎡を超える建物なので、共用部は昼間、テナント専有部は深夜2回に分けて調査した。

内部だから そんなに暑くないだろうと思っていたら大間違い。完全に就業時間が終わり、エアコンが切られた状態だと室内でも結構暑い。調査をしていたら汗だくになった。空調服を着るまでもないが。

幾つか気づいたのは、オフイスビルの入退のセキュリティーシステムが電子的に進化している事。もうひとつは、テナントとして入居している様々な事務所を見させてもらい、経営陣の考え方によって多彩な事務所空間がある事を再認識した。

【入退管理システム】

入退管理システム | 東芝電波テクノロジー株式会社 (toshiba.co.jp)

ハンズフリー入退管理システム:RFID応用ソリューション:入退管理・動態管理:株式会社 日立パワーソリューションズ (hitachi-power-solutions.com)

先進的なオフイスビルでは、入退管理システム・セキュリティーがしっかりしている。

【多様な事務所空間】

「専有部の半分近くが、まるでカフェのような事務所」

 女性スタッフが多い職場と聞いたが、低価格で飲食物や菓子類が提供されると聞いた。一人用のテーブルやグループ用のテーブルなど多彩な席があり、さながらカフェが併設されているかのような事務所。実物を見て圧倒された。

「ヒエラルキーを感じる構成の事務所」

管理職と思われる人の席部分が一般部分より30cmぐらい床があがっていて、上から監視されているかのような事務所。今時こんな「番台スタイル」の事務所があるんだなと感心した。

「均質な構成の事務所」

整然と事務机が並んでおり、まるで兵馬俑のように整然と並ぶ均質な空間。昔ながらの事務所といった感じ。

各テナントの平面図は先に見せてもらっていた。図面だけでは強く感じなかったが実際に従業員がほとんどいなくなった状態のオフイスを見せてもらうと、事務所空間は、それぞれなんだと思った。やっぱり自分の目で現場を見る事は大切だ。

「南極の食卓」渡貫淳子著

第57次南極地域観測隊の女性料理人が極限の地で見つけた暮らしの知恵が、素敵な南極の写真と可愛らしいイラストとともに綴られている。

昔「南極料理人」という映画で、南極観測の厳しさ、楽しさ、その魅力を知ったが、この本の著者・渡貫さんが、南極観測隊員を志したきっかけも「南極料理人」とのこと。

映画よりも更に詳しく、観測隊員の受検から訓練、準備、出発から観測隊員としての生活に渡るまで知ることができた。

特に「ごみ」処理については、興味深かった。

そもそも「ごみ」は、全て日本に持ち帰らなければならない。分類としては「燃えるごみ」と「燃えないごみ」でこれは日本と同じ。難しいのは「生ごみ」の考え方で、「生ごみ」の中には液体も含まれる。ラーメンのスープや煮汁など。「生ごみ」は、生ごみ処理機で乾燥させ、重さも体積も減らして焼却炉で灰にする。「燃えないごみ」はとにかく量(かさ)を減らして、ガラス類は破砕。缶類はプレス。ごみの最終形態をイメージして各自が捨てる。

ごみ箱は食堂と風呂場にしかなく、それを当直が毎日回収し、集積所で30品目くらいに分別後、種類別に重さを測る。南極観測隊員になると、どうやって「ごみ」を出さないようにするか、極力出さないようにする工夫と知恵が自然と身に付くようだ。

この本は、私にとっては、もうひとつの「南極料理人」本となった。

借地借家法28条・立ち退きの正当事由

立ち退きの正当事由とは、賃貸人が賃借人に対して立ち退きを求めるだけの合理的な理由のことを指す。入居者に立ち退きを求める際には正当事由が必要である。

立ち退きの正当事由とは、賃貸人(家主)が賃借人(入居者)に対して、賃貸借契約の解除や更新拒絶を行うために必要な合理的な理由のことを指す。

つまり、賃貸人の一方的な都合だけでは賃借人を立ち退かせることはできず、社会通念上、立ち退きを求めるだけの十分な理由が必要とされているのです。この正当事由について定めているのが、借地借家法28条です。同法では、賃貸人が賃貸借契約の解除や更新拒絶を行う際には、正当事由の存在が必要であると規定されています。つまり、正当事由がない限り、賃貸人は賃借人に対して一方的に立ち退きを求めることはできないということです。

借地借家法28条では、正当事由の判断にあたって考慮すべき5つの要素が定められている。

①:賃貸人と賃借人の建物使用を必要とする事情
②:建物の賃貸借に関する従前の経過
③:建物の利用状況
④:建物の現況
⑤:立退料の申し出

この立ち退きの為の正当事由を明らかにするために「法遵法性調査」が判断材料のひとつとして利用されている事は、意外と知られていない。

ここでいう「法遵法性調査」は「建築基準法遵法性調査」とは、その法の範囲や内容が少し異なり、建築基準法と関係規定について「適合・既存不適格・不適合」と逐条別に分類するような一般的なものではない。

借地借家法28条では、正当事由の判断にあたって考慮すべき5つの要素のうち「③建物の利用状況」「④建物の現況」については、より専門的なコミットメントが求められる。

建物の利用状況は、「賃借人が建物をどのように使用しているか」「その使用方法は賃貸借契約で定められた用途に合致しているか」「建物の使用頻度はどの程度か」といった点が判断材料となる。

建物の現況は、建物の老朽化の程度や、大規模修繕等の必要性、また現在の建物が立地地域の標準的な使用形態に適合しているかどうかなどが考慮される。

建物の老朽化が進行し、安全性に問題が生じている場合、建て替えのための立ち退きが正当化される可能性がある。しかし他社の報告書見ると、単に築年数が経過しているというだけで、取り壊し事由と記している場合等もあるが、これでは不充分である。建物の倒壊や設備機器の故障など、具体的な危険性が認められることが必要となる。また、建て替え計画の詳細や実現可能性なども考慮されるとされている。

弊社では、借地借家法28条・立ち退きの正当事由を目的とした「法遵法性調査」を受任している。

賃貸人(家主)・代理人弁護士からということもあるし、賃借人(入居者)・代理人弁護士から依頼されることもある。

賃貸人(家主)からは、賃借人(入居者)を退去させて既存建物を解体し更地にして転売する場合が多い。賃借人(入居者)からは立退料の交渉に利用されることが多いようだ。

富錦樹豆花

時々 本を物色しに行くコレド室町テラスの誠品生活日本橋

ここは本のセレクトが面白く、ついつい沢山の本を買ってしまう。

王德傳(ワンダーチュアン)で烏龍茶を補充し

富錦樹台菜香檳 (フージンツリー)で一休み

富錦樹豆花(フージントゥファ)を食す

この寝ぼけた甘さが好き