映画「侍タイムスリッパ―」の安田純一監督による初めての自主製作映画。2013年に制作され、2014年に公開された「拳銃と目玉焼」が見たくなり、レンタル落ちDVDを購入した。
(2024年10月2日追記:私は、このレンタル落ちDVDを670円で購入したが、現在12,800円の値段がついていてびっくりした。)
2017年に公開された「ごはん」のDVDも探しているのだが、今のところ見つからない。
さて、この映画は現代的な犯罪に立ち向かう昭和のテレビヒーロー(仮面ライダー)を想起させる主人公が、見る者に懐かしくも熱い興奮を呼び起こさせる。見返りを求めない無償の愛。ロマンチックやな。
低予算だと思うけどクォリティーは高い。
安田純一監督は、京都市内で結婚式などのビデオ撮影業を営なんでいたが、中年になって「やりたい事をやらんとあかん」と一念発起して、自ら脚本や衣装の用意までを手がけ、3年間かけて本作品を低予算、少人数で作り上げた。完成後は宣伝配給を行う未来映画社も自ら立ち上げたというのだから、その心意気に感銘した。
「食うための仕事」だけでなく「本当にやりたい仕事」をしたい。人生の終焉が近づいてきた年齢になると余計そう思う。
市井の人々がモデルだ。気弱だけど心優しい中年の新聞配達人(主人公)。零細町工場の社長。喫茶店のママ。喫茶店のウェイトレス。タクシー運転手。だから親近感がわく。
出演している俳優さん達は、一般的には知られていないけど、それぞれベテランの俳優さんなのではないかと思う。
中々の秀作だ。