山手通りの家 -1

1週間ほど前、知人から電話がかかってきた。

知人「新建築7月号に掲載されいる住宅なんだけど、地上5階建てで五層も階段の竪穴区画がないんだ。うちも こういう竪穴区画の無い住宅を提案したいんだが どうやったらできる?」

私「五層竪穴区画無しなんて無理だっぺ・・」

知人「でも雑誌に掲載されているからには、建築確認降りてるだろうな~。資料送るから知恵貸してよ」

私「了解」

この知人は研究熱心で建築雑誌に掲載されている建物で、建築基準法的に面白そうな物があると私に振ってくる。そして、この住宅の概要・資料が送られてきた。

私「資料みたよ。この場所だいたいわかる。山手通りは結構行き来しているからね」

私「S区の場合、山手通リ沿いは防火地域だね。床面積が100㎡未満だけど階数が3以上だから耐火建築物。防火地域でなければロ準耐で設計する方法もある」

知人「鉄筋コンクリート造のロ準耐って主要構造部のどれかの部位の仕様を変えるだったよね」

私「そう。鉄筋コンクリート造りだと外壁・屋根・床がコンクリートで耐火構造仕様になっているから、階段を木造にしたりするんだよね」

知人「鉄骨階段じゃ駄目?」

私「鉄骨階段だと耐火構造になるでしょ。幾ら準耐火ロ-1とか記載しても実態上の仕様が耐火構造になるから」

知人「イ準耐と耐火構造は竪穴区画必要でロ準耐だと竪穴区画しなくていいっていうのも一般には説明しずらいところだ」

私「専門家でも 中々理解しずらいところ」

知人「でも この建物は耐火建築物である必要がある」

私「そうだね もう少し調べてみるよ。」

知人「全館避難安全検証法だったりして」

私「住宅は発熱量高いし、以前シュミレーションしてみた事あるけど この手のプランでは無理だと思うよ」

知人「そうなんだ・・」

私「では 調べてから電話するよ じゃあね」

ということで、知人から課題を与えられてしまった。

やれやれ

【法令メモ】

建築基準法施行令第112条第9項(9項区画・竪穴区画)は「主要構造部を準耐火構造とし、かつ、地階又は3階以上の階に居室を有する建築物」が対象です。

準耐火構造というのは建築基準法第2条七号の2に規定されていて、45分準耐(面積区画は1時間準耐)、例示仕様は平成12年建告第1358号。

「主要構造部を準耐火構造とし」とは、準耐火建築物である場合は、準耐火(イ-1、2)が該当し、準耐火(ロ-1、2)は対象外。

法令上の用語として「上位の性能を有する材料・構造等は、下位の材料・構造等に含有されるものとして整理」(平成12年建住指第682号通知)されたから、主要構造部を耐火構造としたものも対象建築物となる。

わかった?

わからないしょ

でも法文上はこうなる